第8話・「ジオンの脅威」 さてさてさて、第7話を御覧になった方ならばもはや、このページをブラウザに表示させること など無いのではないかと、私の思考回路は申しておりますがそれでも全宇宙で4人ぐらいはま だここを見ていてくれるのではないかと純粋な心で信じたい小生ですが、皆様そろそろ夏も本 番といったところでしょうか、御身体を悪くなさらないようにどうかご自愛くださいませ。 で、 完成した20ページほどの原稿を見た私達は、妙にはしゃいでおりましたとも。 私はこの漫画は全世界に強烈なショックを与え、第2のオオトモ、シロウなどとバカ外人ども に呼ばれるようになる。などと、今までの連載で散々書いてきたようなおべんちゃらはもう 書かん。 と、いうよりも前回、あれをのっけちゃったんじゃもうこの連載必要無えじゃん。つうか、この 連載等存在自体必要無えじゃん、などと私も貴方も貴方の後ろにいる誰かも思っておりますが それでもこの連載は続いたりします。 何故ならば、 皆様は現在の漫画というものの現状をどうお考えでしょうか? 大ヒット作が連発し、発行部数の更新が常に起こり、様々なジャンルが林立することによって あらゆる読者層がそれぞれの趣味趣向にあった作品を読むことが出来る? もしかしたらそうお考えになられている方もおられるかもしれませんね。 ですが、果たして今の漫画が私達の子供達、さらにその子供達の世代まで読まれ続けていく のでしょうか。 貴方が今、夢中になって読んでいるその最新作を、5年後10年後になっても貴方は読み続 け、夢中であり続けている!・・・そう、断言できますか? おそらく、ほとんどの人は首を縦に振るのを躊躇してしまうのではないでしょうか? 貴方がもし、本当に漫画が好きで、いつまでも夢中でいられるような素晴らしい作品がたくさ ん作られるようになってほしいと少しでも願っているのなら、この連載を是非とも最後まで読み 通して頂きたい。 何故なら、ここで紹介されている作品のようにまだ技術は稚拙ながらも真のフロンティア(開 拓)スピリッツ(精神)がそんな些細なことを平坦な宇宙の遥か最果てに追いやる、真なる漫画 への愛を、熱く、熱く、熱く持つ、そんな若葉こそが、未来の漫画界を至高たるニル=ヴァーナ へと誘っていくのだから・・・ そんなスターチルドレンスカイハイなニュータイプたちを見守っていくことこそが、私達を育て てくれた漫画というものに対して出来る恩返しなのではないかと私は心から考えているのであ る。いや、嘘だけど。 さて、前置きが何の意味も無いくせに長くなりましたが、 当時の私達の心境というのはいわば末莉いや、祭りであった。と、オタ向けにお約束のボケ も一応書いておきますよサービスですよ喜べ。 要するに「こんなもん描いちまった!もうやっちまえ!これ売っちまえ!ワショーイワショー イ!!」という感じである。 はっきし言ってもう何回も書いたけど、漫画への冒涜である。しかし、そこはそれ。漫画を描く ことへの執着心なんて無いボンクラにとってはそんな考えはまったく思い浮かばないわけです。 勿論現在の私達は深く反省し、漫画の神様(代表作「シュマリ」)のてんばつ(他属性のキャラ に敵味方関係なく大ダメージ)が下るという恐れを抱きつつ、でも、だったらもっと真っ先にてん ばつ下るべき奴がいるよなあ、と自分を安心させる日々なので許していただきたい。 というわけで、この原稿を集英社に持ち込むーのはやめて、とりあえず近所のローソンでこ の怪文書ならぬ怪漫画を文明の利器を用いて量産することになったのである。 早速、店員様にコピー機使わせろと頼み込み、量産体制に入る我ら。 量産のための軍資金は勿論全部、侑紀(仮)が自腹を切るので、彼は大量の10円玉を両替 してもらう。こんなことに国民の血税を使うわけにはいかないので彼も納得していたようだが、 国家予算の中から2000円もの大金を出すのに多少の後悔はしているようであった。 だが、歯車は急には止まれない。 とりあえず20部刷る事になり、我々はガチャポン戦記でガチャベースを占拠したかのように コピー機を占拠。ジャブローを占拠したかのような気分で量産体制に乗り出したのであった。 しかし、である。 我々はコピー機を上手く扱えなかった! とりあえず2回ほどやってみたのだが、どうも妙に印刷されてしまう。元々意味不明、というか 意味の無い漫画だが、何が印刷されているかも分からないのではもはや、一周してげんだい あーとである。 試行錯誤の末、やっとこさ普通に印刷が出来るようになった我々に更なる危機が襲った。 この作品は、前編シャーペンのみで描かれている。 綺麗に出るはずが無かった。 直前に「しっかりと上書きはしておきましょう」というプロ漫画家の間だけで流れているのでは ないかと思われる激裏情報を得ていたために一部(本当に一部)を乱暴にマジックで上書きし たりベタ塗りしたりしたのだが成る程、違いは一目瞭然である(もっかい読んで確かめてみよ う!)。 ここで引き返してきちんとベタなんてやっていたら男子の面子と軍の権威が廃るというような ものである。気にせずそのままスイッチを押す、押す、押し続ける。 これぞジオン脅威のメカニズム! しかし、気になることが一つあった。それは雑誌やらが置かれているコーナーで立ち読みをし たりしなかったりを繰り返しているどっかのおっさんの姿であった。 彼が何故か先程からずっとこちらを伺うかのように見ているのである。我々は危惧を覚え た、スパイか!?漫画の未来を狙うイルミナティのメンバーか!?というものではもちろんな く、こんなものを印刷しているのを見られているのが恥ずかしかったのである。 しかし、度重なる妨害を退けること数10分後。 我々の手元には400枚以上の紙切れがあった。量産は完遂されたのだ。 我々は何かをやり終えたような顔で勝利の凱歌を挙げた。 その時!そんな我々の元に異変が! あのおっさんが我々の元に向かってくるではないか! やばい!にげろ!殺られる!つうか漫画見られる! そそくさとその場を離れる我々! そしておっさんは苦笑いを浮かべつつ自分が脇に抱えていた何かをコピー機にかけるのであ った。 ・・・・・・・・・・・・・・・スマソ 〈モドル〉 〈続く〉 |