咎人は、どこにでも潜んでいる。 巧妙に仮面を被り、隠れている。 たとえ人の目が奴らを捉えられなくとも、 飢えた禿鷹は見逃さない。 ──エーリッヒ・ヘリクセン
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GM | : | ではセッションの2回目を開始します。まずは [鎖] だ。レインには【マーテル】の正位置。ラックには【ファンタスマ】の逆位置。フェイムには【クレアータ】の逆位置。 では最初に……レインのシーンから開始しますか。 |
導入0 | 凶夢 | |
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シーンタロット 【 デクストラ 】−正位置− | ||
レイン ── PC(1)用シナリオ因縁 ☆幼子/リゼル 彼女は、あなたの妹のような存在だった。顔の右半分は常に包帯に覆われ、左半分は常に豊かな表情を見せていた。陽気で、聡明な娘であった。今、彼女はどうしているのだろう? 幸せに暮らしているといいのだが。 | ||
GM | : | 君は今、馬車に乗っている。 |
レイン | : | どこへ向かっていますか? |
GM | : | “自由都市ケルバー”に向かっているね。 |
レイン | : | 『ケルバーソード』の“ケルバー”ですか? |
GM | : | そうだね、その産地に向かっている。 |
ラック | : | 馬車に乗っていると言ったが、君は自分のウォーホースを持っているじゃないか。 |
レイン | : | そうでした!“レッドホーン”は? |
GM | : | 一緒にいるよ。だが、悪いけど馬車に乗っていてくれ。 |
レイン | : | いいですよ。じゃあ馬車の中で“レッドホーン”と戯れていますよ(笑)。馬を馬車に乗せる(笑)。 |
GM | : | 好きにしてください(笑)。 いつの間にか、君は転寝をしてしまったようだ。まどろみの中、目の前にひとりの少女が現われる。 |
レイン | : | 少女……(渡された因縁を確認して)……ユーディットだな(一同笑う)。 |
GM | : | 分かっていると思うが、リゼルだからな(笑)。 少女の名はリゼル。いつも明るく笑っていた少女だ。だが、今の表情は暗く沈んでいる。彼女の身体は闇色の霧に覆われていた。霧は徐々に濃くなり、彼女を飲み込んでいく。闇に飲まれる寸前、彼女は君を見た。助けを求めるかのように……。 そして目が覚めた。“ケルバー”に向かう馬車の中だ。“ケルバー”には彼女が住んでいる。 |
レイン | : | それで“ケルバー”に向かっているわけですね。 |
GM | : | そうだね。リゼルは養父の老魔術師とともに住んでいるよ。 |
レイン | : | 老魔術師か……メモっておこう。家も知っていていい? |
GM | : | 知っています。それと、“ケルバー”は今、長雨に覆われていて、このまま降り続けると近くの湖が氾濫する恐れがある、という事を気に止めておいてくれ。 |
レイン | : | はい。 |
GM | : | 窓から外を見ると、今も雨は降り続いており、止む気配はない。 |
導入1 | 予感 | |
シーンタロット 【 ステラ 】−正位置− | ||
ラック ── PC(2)用シナリオ因縁 ☆告発/ヴェイクス 10年前、あなたは奴を殺した。奴は殺戮者だったのだ。その勝利は、友人の命と引き換えにもたらされた、苦しいものだった……。今でも気に掛かることがひとつ、ある。最後の瞬間、奴は不気味に笑ったのだ。 | ||
GM | : | 君は今、“自由都市ケルバー”から少し離れた小高い丘の上にいる。目の前には、10年前の戦いで命を落とした友人の墓が建っている。 |
ラック | : | 名前は? |
GM | : | 特に決まっていない。 君は振り返り、“ケルバー”を見た。奇妙な胸騒ぎがして、君の聖痕が疼くね。 |
ラック | : | ? どういうことだろう……。 |
GM | : | そして思い出すのはヴェイクスの不気味な笑い。もしかしたら、10年前の戦いはまだ終わっていないのかもしれない。だとしたら、今度こそ決着をつけなければならない。ここは、友人が命を懸けて守った街なのだから。 君は、長雨でぬかるむ地面を踏みしめながら“ケルバー”へ向かった。 |
導入2 | 嵐の前に | |
シーンタロット 【 アクシス 】−逆位置− | ||
フェイム ── PC(3)用シナリオ因縁 ☆主人/リザベート あなたが仕え、忠義を捧げる対象。それが彼女だ。白竜を友とする、美しい“竜伯”。彼女に仕えることは、あなたの誇りですらあるのだ。 | ||
GM | : | 君は今、“ケルバー”の領主、リザベート・バーマイスターの執務室にいる。 |
リザベート | : | 「ひとつ、貴方に調査してもらいたい事があるの。この異常な長雨に関する事でね。」 |
GM | : | 彼女は窓に歩み寄り、外の様子を見ながら言葉を続ける。 |
リザベート | : | 「10年前にも同じような事件があったと記録されているわね。異常な量の雨と、それに『嵐』そのものの到来。」 |
GM | : | 言葉を淡々と紡ぎ続ける彼女の顔には、疲労の色が色濃く出ている。 |
リザベート | : | 「間の悪い事に、ディングバウの休眠期が近いのよね。彼が眠りについている間、この街の守りは薄くなる……。」 |
フェイム | : | ディングバウ? |
GM | : | ちょっと待ってね。 そして、彼女はいつもの言葉を告げる。あの、真摯な瞳で。 |
リザベート | : | 「あなたにしか、できないのよ。」 |
フェイム | : | うわっ。 |
GM | : | うわっ、てなんだよ(笑)。 |
レイン | : | マスター、質問。どうせリザベートって美形ですよね? |
GM | : | ? そうだと思うけど? |
レイン | : | やっぱり。頼み方がやらしい(一同爆笑)。美人が「貴方にしか…」とか言って頼み事してきたら、断れないのが男の性だよ(一同笑う)。 |
GM | : | ディングバウだけど、彼女は高いレベルの【エルス】で、竜の <ファミリア> を持っているんだ。その竜こそがディングバウだ。 |
フェイム | : | さっきの答えだが、どうしようかな。「善処します。」とでも答えるしかないな。 |
レイン | : | この男は……いつまでも歯切れの悪い人ですね! |
フェイム | : | (PL発言)昨日お前が同じ台詞を吐いたじゃないか!(一同爆笑)。 |
GM | : | まぁ、そう答えるならいいだろう(笑)。ではこのシーンはこれで終わり。 |