ああ、確かに俺たちにはもう何もないさ。 ……けどな、それでもな。 心のどこかで、俺たちはまだ騎士なんだよ。 絶対に譲れないモンを、大事に抱えて持っているのさ。 ──“紅き雷槌”ヨハン・ブリッツェン
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GM | : | では5回目のアクトを開始します。最初に [鎖] を配るね。ラックには【クレアータ】の逆位置。レインには【ファンタスマ】の逆位置。フェイムには【マーテル】の逆位置。ヴァルトには【エフェクトス】の正位置。 |
ヴァルト | : | ありがとうございます(笑)。 |
フェイム | : | 逆位置ばっかりだな(笑)。 |
レイン | : | ひとつは正位置があったから許しましょう。全部逆位置だったら流石に切り直せと言うところですが(一同笑う)。 |
ラック | : | GM、一つ設定を考え付いたので発表するぞ。 |
GM | : | お、なんだなんだ? |
ラック | : | 俺の一族は、“カーネイジ”によって皆殺しにされたのだ。だから俺は“カーネイジ”を追っているのだ。 |
GM | : | 良いんじゃないか? |
ラック | : | そういういきさつがあり、俺は復讐に燃えているのだ。 |
レイン | : | ……その犠牲者が私ですか(一同笑う)。 |
ラック | : | 犠牲ってなんだ(笑)。 |
フェイム | : | マジ迷惑(笑)。 |
導入0 | 師と共に | |
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シーンタロット 【 ウェントス 】−正位置− | ||
レイン ── PC(1)用シナリオ因縁 ◎師匠/ハウエル・ギルガイン 伝説的な騎士、ハウエル・エルンスト・ギルガイン。彼を師と仰ぐことができたのは、あなたにとって幸運なことであった。剣技、人格、立ち振る舞い……そのすべてが、あなたの模範となっている。彼の許を巣立ってから随分とたつ。あの偉大なる騎士は、今頃どうしているのだろうか? | ||
GM | : | では導入ステージ。まずはレインのシーン。シーンタロットは【ウェントス】の正位置。 |
ラック | : | 最初からついてるな(笑)。 |
GM | : | 君の師匠、ギルガイン卿は30代後半の重厚な武人である。基本的に言葉遣いは丁寧だが、親しくなればそれなりに砕けた口調になる。堅物ではあるが、冗談も解する。かつて“リューデスバーデン”のトーナメントで優勝したことがあり、非常に高名な騎士である。特定の主を持たず、常に諸国を放浪していることでも有名である。 |
レイン | : | そうなのですか。 |
GM | : | で、同時に君の師匠でもある。さて、場面は“王都フェルゲン”だ。君は通りを歩いていて、偶然ギルガイン卿と出会った事にしよう。 |
レイン | : | ばったり? |
GM | : | そんな感じだね。 |
レイン | : | 「あそこにいるのは……まさか師匠!」 |
GM | : | 君の声が聞こえたのだろう、ギルガイン卿が振り返るね。そして君に近寄ってくる。 |
レイン | : | こちらこそ、駆け寄ります。 |
ギルガイン | : | 「久しいな、レイン。」 |
レイン | : | 「お久しぶりです!」 |
ギルガイン | : | 「どうだ? 精進しているか?」 |
レイン | : | 「はい。貴方の教えを守り、日々鍛錬を続けております。」 って、精進してるよね?(笑)。 |
ヴァルト | : | してるんじゃない? |
GM | : | 初期に比べて、劇的に強くなっているからね。 |
レイン | : | 「師匠に教わったこの剣技、より一層の磨きをかけております。」 |
ギルガイン | : | 「そうか。お前が我が弟子である事を誇りに思うぞ。……そうだ、話は変わるが、私と共に戦に赴いてはみないか?」 |
GM | : | と、真剣な表情で尋ねてくるね。 |
レイン | : | 「それはありがたきお言葉。是非ともご同行させてください。」 |
ギルガイン | : | 「うむ、私の故郷を守る戦いだ。お前が来るとなれば頼もしい。」 |
レイン | : | 「故郷ですか。喜んで加勢いたします。」 |
ギルガイン | : | 「うむ。では参ろうぞ。」 |
GM | : | といったところでシーン終了。 |
導入1 | 闘争の地で | |
シーンタロット 【 コロナ 】−逆位置− | ||
ラック ── PC(2)用シナリオ因縁 ○仇敵/魔剣ブラスフェミィ あなたは、世界に絶望を振り撒く魔剣カーネイジを追っている。ブラスフェミィは、カーネイジが産み落とした“落とし子”のひとつだ。ひとつたりとも、忌まわしき魔剣の眷属を見逃すわけにはいかない。魔剣の狩人。それこそ、あなたが己に課した使命だ。 | ||
GM | : | では次はラックのシーン。さっきのシーンからは少し時間が過ぎているね。 舞台は“ジーゲンブルグ”。ギルガインが戦に赴いている場所だ。 |
ラック | : | あいよ。 |
GM | : | 君がその騎士ハウエル・ギルガインのことを知ったのは偶然だった。魔剣“カーネイジ”の“落とし子”たる魔剣“ブラスフェミィ”を所持する人物だ。ちょっとした興味を持った君は、彼に近づき……気がつけば肩を並べて戦う事になっていた。 |
ラック | : | “カーネイジ”だと? |
レイン | : | なぜ師匠がそんな物を? |
ギルガイン | : | 「ラック! 後ろだ!!」 |
GM | : | と、ギルガインが君に声をかけたね。 |
ラック | : | 「分かっている!」と叫んで、こうひらりと回転しながら……(アクションが決まらなかったのか、PLが止まる)。 |
ヴァルト | : | 避けたのね(笑)。 |
レイン | : | ついでに <空中浮遊> も使って、空中に浮かび上がったのね(笑)。 |
ラック | : | そういう事にしても良いかな(一同笑う)。 |
GM | : | 背後から斧を携えたオークどもが君に襲いかかってくるね。 |
レイン | : | (コロコロ)登場しました。「ラックさん、危ない!」 |
ラック | : | 「チィッ!」と叫んで、「貴様らはここまで追ってこれまい!」と空へ逃げるぞ。 |
レイン | : | …………それって格好良くないよ?(一同爆笑)。 |
ラック | : | おおそうだ!(笑)。「食らえ、虚ろわざる雷撃よ!」ケシズミにしてやる。 |
GM | : | 彼の助言によって君は事なきを得たね。そうだな、オークは黒焦げになって吹き飛んだよ。 そうこうしているうちに、辺りの敵はギルガインが蹴散らしていくね。 |
レイン | : | 凄い(笑)。さすが師匠、負けられませんね。 |
ラック | : | 目に付くオークを片っ端から雷撃だ。 |
GM | : | では、辺りの敵をあらかた片付け、落ち着いたところで君は彼の持つ魔剣に目が行くね。 |
ラック | : | なぜ、これほど高名な人物があんな物を。 |
GM | : | 君の視線に気づくと、ギルガイン卿は |
ギルガイン | : | 「……分かるよ、貴公がこの剣に穏やかならぬ感情を抱いているのは。一応言っておく。私も同感だ。」 |
ラック | : | ほ〜お。 |
GM | : | では戦いは終わった。これから凱旋だね。ここでシーンを終了。 |
導入2 | 守護者 | |
シーンタロット 【 レクス 】−逆位置− | ||
ヴァルト ── PC(3)用シナリオ因縁 ○恩人/ロヌハァラ・エウリュエル 彼女は、ジーゲンブルグを統べる美しき支配者だ。傷つき、息絶えようとしていたあなたは彼女によって救われたのだ。この恩に報いたい。それが、今のあなたの心を占める、偽らざる気持ちだ。 | ||
GM | : | 次はヴァルトのシーン。 |
ヴァルト | : | はい。 |
GM | : | 君は今、“ジーゲンブルグ”という城塞都市にいる。この都市は、中央の喧騒からは隔離された場所だ。君は、領主の客分として城にとどまり、以前の戦いで受けた傷を癒している。だが、安楽の日々は終わりを告げた。“エステルランド”に侵入した北狄の一派が、この都市を蹂躙せんと攻め寄せてきたのだ。 “北狄”ってのは、北に万里の長城みたいなのがあるんだけど、ここからやってくるオーク達の事だ。 |
フェイム | : | オーク? |
レイン | : | さっきのオーク達も北狄なわけね? |
GM | : | そうだ。では、領主たるロヌハァラが君に声をかけるね。 |
ロヌハァラ | : | 「ヴァルトさん、お願いです。この街を守る為に力を貸してはいただけませんか?」 |
ヴァルト | : | 「そんな水臭い事を言わないでください。私の力でよければどうぞ。」 |
ロヌハァラ | : | 「お助けしたお人にこのような事を頼むのは心苦しいのですが、状況が状況ゆえ、お願いいたします。」 |
ヴァルト | : | 「構いませんよ。」 |
GM | : | では、君はこの街を守ると約束した。 |
導入3 | 楽園にて | |
シーンタロット 【 フィニス 】−逆位置− | ||
フェイム ── PC(4)用シナリオ因縁 ◎強敵/ハウエル・ギルガイン ハウエル・ギルガインといえば名の知られた騎士だ。そういう手合いとやりあうのは、あなたの好むところだ。だが、勝てなかった。悔しいので腕を磨いては挑戦するが、一度たりとも勝てた試しがない。気づくと、彼との付き合いは随分と長くなっていた。 | ||
GM | : | 何度目の戦場だっただろうか、詳しい事は覚えていないが、気がつけば北狄と人間が殺し合う戦場にいた。いつの間にか、ヤバイ所を斬られていたらしい。 |
フェイム | : | おっ? |
GM | : | 血が止まらない。そして、意識が途絶えた。 |
フェイム | : | うぉぉぉぉぉぉ!?(爆笑)。 |
GM | : | 目が覚めると、目の前には見慣れた髭面の騎士がいた。君は清潔なベッドに寝かされている。手当ても完璧だ。 |
ギルガイン | : | 「今度はお前かフェイムよ。これも運命の導きとやらかな?」 |
フェイム | : | ギルガインだな? |
レイン | : | それじゃ登場いたします(コロコロ)『8』成功。師匠の後ろに立っていますよ(笑)。 |
GM | : | では、ギルガイン卿の背後にはレインの姿があるね。 |
ラック | : | 出る。(コロコロ)成功。俺はじっとあの魔剣を監視しているんだ。 |
ギルガイン | : | 「この街が北狄の脅威に晒されているのは、お前も知っておろう。」 |
フェイム | : | 頷いておく。 |
ギルガイン | : | 「お前の腕、北狄相手に大いに揮ってみる気はないか?」 |
フェイム | : | 「……この傷の仕返しはしてやりたいな。」 |
ギルガイン | : | 「うむ、よろしく頼むぞ。我が弟子レインとも面識があるようだしな。」 |
フェイム | : | その名を聞いて固まろう(笑)。 |
レイン | : | アイコンタクトで『なにやられてるんですか若輩者!』とメッセージを送ろう(一同笑う)。 |
フェイム | : | そっちは見ないでおこう(笑)。 |
導入4 | 堕ちてなお騎士 | |
シーンタロット 【 グラディウス 】−正位置− | ||
GM | : | ではこのシーンはマスターシーンだ。“ジーゲンブルグ”のテラスにギルガイン卿はいるね。 |
ギルガイン | : | 「この故郷を北狄から守って……その後私は……ふん。とんだ自己欺瞞だ。」 |
GM | : | テラスから“ジーゲンブルグ”を見渡しつつ、ギルガインは自嘲気味に呟いた。 |