|
ニュース
●アジア事情
●中国でまたもGMイネ不法栽培発覚
4月1日付中国ニューズウィーク誌は、中国でGMイネの不法栽培が継続して行われていることを報じた。同誌は、Btイネを作付けしている、湖北省の省都・武漢市江夏地区Tuditang町の農家にインタビューしている。それによると農家は、3年にわたって作付けをしているものの、GMイネとは認識していなかったようである。このような形で、湖北省ではGMイネの不法栽培が広がっていると見られる。現在、世界各国で中国産不法栽培GMイネが食品から検出されているにもかかわらず、中国政府農業省は3月2日、中国ではいかなるGMイネも栽培を認めておらず、また栽培もされていない、と述べている。
〔The Epoch Times 2010/4/6〕
●ヴェトナムで多品種作物にGMO汚染
ヴェトナム・ホーチミン市の市場で販売されている米、果実、野菜323サンプルを検査したところ、3分の1以上にあたる111サンプルからGMO関連遺伝子が検出された。検査したのはCenter
for Quality Measurementで、検出されたのはトウモロコシ45、大豆29、米11、ジャガイモ15、トマト10、その他1だった。なぜこのような高い割合でGMO汚染が起きたのか、その理由は明らかにされていない。
〔Viet Nam Net 2010/4/12〕
そのヴェトナムでいま、GM食品の安全性について、厳しい基準を課した法案を準備している。法案では、5カ国以上で安全性が確認されていることが求められる。〔Viet
Nam Net 2010/4/28〕
●オセアニア事情
●南オーストラリア州政府がGMOモラトリアム継続へ
南オーストラリア州政府が、GM作物栽培停止(モラトリアム)を2014年まで継続することを明らかにした。これは労働党政権が示したもので、モラトリアムを中止した方が継続するより経済的な損失が大きい、というのが理由である。
〔The Recorder 2010/4/1〕
●西オーストラリア州でGM小麦試験栽培計画
西オーストラリア州で窒素利用効率を高くした、3種類の小麦と1種類の大麦の試験栽培が、同国の英連邦科学産業研究機構(CSIRO)で行われる可能性が強まった。研究所はこれまで、ニューサウス・ウェールズ州でこれらの試験栽培を行ってきたが、それを西オーストラリア州まで拡大する許可を遺伝子技術規制局に申請した。許可されれば、同州の小麦栽培地帯に1haの規模で作付けされる。
〔Australian Broadcasting 2010/4/8〕
●西オーストラリア州首相が不買の手紙を隠す
西オーストラリア州首相のコリン・バーネットが、もしGMナタネが栽培されれば同州からナタネを購入しない、という欧州の穀物商社からの手紙を隠蔽していたことが明らかになった。手紙は2月3日付で出されており、GMOモラトリアム継続か否かを決定する大事な期間に隠されていたことになる。市民団体はこの件で、首相を告訴した。
〔Farm Weekly 2010/4/20〕
●アフリカ事情
●ガーナがGM食品輸入規制法案閣議決定
ガーナ政府はGM食品輸入規制法案を閣議決定した。この法案では、税関や入国管理局がGM食品の輸入を監視・管理する。同国の環境・科学・技術大臣のシェリー・アリッティは「法案が成立すれば、隣国との間でデータの交換が促進されるだろう」と述べている。〔Government
of Ghana 2010/4/13〕
●ジンバブエがGM作物流入対策施す
ジンバブエ政府は、GM作物の近隣諸国からの流入を防ぐために、国境に検査官を配備する。これは、安い輸入作物によって自国の農業が損害を受けている、という報告に基づいた措置である。政府はまた、この措置によって、家畜や野菜の病気が入るのを防ぐことができる、と述べている。
〔The Sunday Mail 2010/4/6〕
●南アからケニアに継続的にGMトウモロコシが
ケニアで3年もの間、4種類のGMトウモロコシが流通していたことが判明した。2008年より総計で3万トンが南アフリカから輸入されていた。この件にかんして、環境保護団体などが抗議を行い、ケニア政府も南アフリカからのトウモロコシの輸入を止め、現在、4万トンのトウモロコシがモンバサ港で陸揚げを拒否されたままである。
〔Business Report 2010/4/8〕
●スマートスタック品種、南アフリカで輸入許可申請
8種類の遺伝子を導入したスマートスタック品種(本誌2009年9、10月号参照)トウモロコシが、南アフリカの人々に押しつけられようとしている、と市民団体が声明を発表した。これはモンサント社が南アフリカ政府の規制局にスマートスタック品種の輸入許可を申請したことに対して、African
Center for Biosafetyが警告を発したもの。 〔African Center for Biosafety 2010/4/21〕
●エチオピアへのGM作物導入計画
米国国際開発庁(USAID)と国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は共同で、エチオピアにGM作物を受け入れさせるために、同国のバイオセーフティ法の変更をさせるための取り組みを始めた。中心になって動いているのが、ウガンダに拠点を置き、モンサント社と連携して取り組んでいるUSAIDの「農業バイオテクノロジー支援計画2」である。
〔Addis Fortune 2010/4/27〕
●ビル・ゲイツ財団の新たなGM作物アフリカ導入戦略
ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、GM作物をアフリカに売り込むための新たな戦略を発表した。アフリカの53国・地域が参加する世界最大の地域機関であるアフリカ連合が設立した専門家養成機関であるアフリカ・バイオセーフティ・ネットワークに資金を提供し、GM作物導入の道筋をつけようというもの。〔The
New York Times 2010/3/31〕
|
|
|