■2011年8月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●空中散布で、除草剤ラウンドアップが稲に悪影響


 米国ミシシッピ州の稲作農家は、GM品種の綿や大豆、トウモロコシの畑に散布される除草剤ラウンドアップがもたらす悪影響に悩まされている。
 米国では1990年代後半に除草剤耐性GM綿、大豆、トウモロコシ、ナタネが認可され作付けが拡大、ラウンドアップの使用量が爆発的に増えた。一方、米穀業界は消費者の抵抗を懸念して除草剤耐性品種を導入しなかった。しかし、2000年代半ば頃から、環境中に飛散するラウンドアップが、イネに影響を及ぼしているという報告が寄せられるようになった。収量が減り、米粒にラウンドアップの悪影響を示す典型的な変形が見られるようになった。

 さらに2006年には、GM綿、大豆、トウモロコシ畑に飛行機による除草剤散布が行われた後、周辺のイネが枯れるケースが散見されるようになり、推定3〜5万エーカーのイネがラウンドアップの主成分、グリホサートの影響で被害を受けたという報告があった。そのため、ミシシッピ米生産者協議会は2010年、イネの節間伸張が起きる時期にあたる6月1日以降は、ラウンドアップの空中散布をしないことを求める決議を全会一致で可決した。稲作農家は農薬散布を行っている業者などとこの問題について話し合った。その後、業者がなんらかの対応をとったと考えられ、2010年はラウンドアップの飛散量があきらかに減ったという。 〔Delta Farm Press 2011/5/12〕