■2002年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●遺伝子組み換え食品、欧州を汚染


 日本では、遺伝子組み換え作物がさまざまな食品から検出されているが、状況はヨーロッパでも共通のようだ。ドイツで2000年と2002年に行われた検査結果が、『テスト』誌の2000年8月号と2002年6月号に発表されている。
 第1回目は、ドイツに出回っているトウモロコシと大豆を含む食品の調査で、82サンプルを検査した。第2回目は、ドイツ以外にも範囲を広げ、フランス(80サンプル)、チェコ(18)、アイスランド(10)、オーストリア(20)、スロベニア(20)、ポーランド(20)、ドイツ(82)の計250サンプルを検査した。
 第1回目の調査結果によると、82食品のうち31食品に遺伝子組み換え作物由来の原料が含まれていた。混入の割合は、3食品が20%以下、4食品が0.2〜1%、16食品が0.1%以下、8食品が割合分析不能だった。
 第2回目の調査結果によると、250食品のうち78食品に遺伝子組み換え作物由来の原料が含まれていた。混入の割合は、5食品(スロベニア2、チェコ2、フランス1)が1%以上、7食品が1%未満、54食品が0.1%以下、12食品が割合分析不能だった。
 1%以上含んでいれば、現行のEUの基準では「遺伝子組み換え」と表示しなければならない。上記のサンプルは、いずれも表示のないものだった。ヨーロッパで、予想以上に汚染が拡大している実態が明らかになった。