■2013年1月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

今月の潮流●仏カーン大学の動物実験、影響広がる


 モンサントのGMトウモロコシ「NK603」や除草剤「ラウンドアップ」が腫瘍や臓器障害を引き起こすというフランス・カーン大学のセラリーニらの動物実験の報告を受けて、フランスの元環境大臣セゴレーヌ・ロワイヤル、ドミニク・ヴォワネ、コリーヌ・ルパージュが、「ラウンドアップ」と「NK603」認可の際に根拠とされたデータの再検証を求めている。3人は、フランス政府がこの動物実験報告を受けて「GMOおよび除草剤の評価システムを見直す方針を示していること」についても歓迎の意を表明している。〔GM Watch 2012/10/28〕

 ジョゼ・ボベなど16人の欧州議会議員は、GM作物の輸入を承認した際の健康や環境への影響についてのデータの公開を求めた。さらに、セラリーニらの実験のように、GM作物に農薬を加えたケースと加えないケースの両方の安全性評価実験を行うことを求めた。その際には、長期(2年以上)にわたる食餌実験を独立した科学者・機関が行うよう求めた。〔GM Watch 2012/11/16〕

 欧州食品安全局(EFSA)は11月28日、正式にセラリーニらの動物実験を否定し、再評価する必要がないと結論づけた。これに対して欧州議会の緑の党とヨーロッパ自由連合は、「EFSAがこれまで『安全』とお墨付きを与えてきた科学者に依拠した結論で」、科学的評価を放棄していると批判した。実験結果公表後、GMO推進派の激しい攻撃にさらされているセラリーニは、「GM食品が安全だなどと考えられない」と述べている。〔The Greens 2012/11/29ほか〕