■2013年2月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●アジア事情
●中国政府、GM稲人体実験関係者を処分

 昨年、米国の科学者と中国の科学者の共同研究で、GM稲「ゴールデンライス」を2008年に中国湖南省衡陽特別市の6〜8歳の子どもたち24人に食べさせて、安全性を評価した人体実験が発覚し、問題になった。中国政府は、この実験を許可した3人の役人を免職処分にした。〔Comtex News Network 2012/12/6〕

●日本の輸出品にGM大豆混入で、中国から返品

 GM大豆が含まれていることを理由に、日本から中国に輸出された160キロの大豆が返品された。これは中国の検疫局による、2012年10月の輸入食品、化粧品に関する検疫の不合格情報で明らかになった。問題の大豆は、中国保税区西尾食品有限公司が日清オイリオグループから輸入したもので、遺伝子組み換えが指摘され、返品になった。 〔毎日中国経済 2012/12/19〕

●GM食品表示
●インドでGM食品表示制度スタート

 2013年1月1日から、インドでGM食品表示制度がスタートした。消費者問題担当省は、19種類のビスケット、パン、シリアルなどの対象品に表示するよう食品加工メーカーに命じた。 〔The Hindu Business Line 2012/12/31〕

●ワシントン州でGM表示を求める署名30万突破

 GM食品表示を求める米国ワシントン州の市民の取り組みに対して、必要な24万1153名の署名数を大幅に上回る30万もの署名が12月中旬までに寄せられた。提出日の1月4日までには32万に達すると見られている。この署名は同州議会に提出されるが、もし議会が否決すれば、次回の中間選挙と同時に行われる住民投票にかけられる予定である。 〔Capital Press 2012/12/19〕

●米国州議会にGM食品表示案を提出

 米国ニューメキシコ州議会議員のピーター・ウィルトは、食品法の中にGM食品表示を義務付ける規定を入れるための、同法修正案を州議会に提出した。修正案では、GM原材料が1%以上含まれている加工食品への表示を義務付けている。 〔Triple Pundit 2012/12/24〕
●遺伝子組み換え作物
●GMテンサイが排出権取引対象に

 窒素効率を高めたGMテンサイが、地球温暖化の排出権取引の対象になった。米国のアルカディア・バイオサイエンス社とベルギーのSESVanderHave社が共同開発したこのテンサイを栽培すると、二酸化炭素の排出量と相殺されるという。排出権取引の対象となったことで、GM作物が「地球にやさしい」というお墨付きを得ることになるため、環境保護団体が強く抗議している。〔Business Week 2012/12/19〕
●クローン
●体細胞クローン技術が終焉

 12月11日、農水省農林水産会議が最新の「家畜クローン研究の現状」を発表した。それによると、クローン家畜の開発はほぼ終焉を迎えたことが明らかになった。2012年4月1日から9月30日までの出生頭数は、受精卵クローン牛、体細胞クローン牛がともに0頭である。受胎中は、受精卵クローン牛3頭、体細胞クローン牛0頭である。体細胞クローン豚に関しては、出生が39頭あったが、こちらも受胎中はなく、後続は途切れている。体細胞クローン山羊は出生も受胎中も0である。もはやクローン技術は、研究も開発も行われなくなりつつあるといってよい。クローン技術自体がうまくいかなかったことに加えて、ほとんどの研究者が、対象をクローン技術からES細胞やiPS細胞に移行したからだと考えられる。〔農水省 2012/12/11〕

表1 クローン動物の出生頭数
(2012年4月1日〜9月30日)
出生頭数 受胎中の頭数
受精卵クローン牛 0 3
体細胞クローン牛 0 0
体細胞クローン豚 39 0
体細胞クローン山羊 0 0


●企業動向
●デュポン・ポリス結成

 GM作物の特許を守るためにモンサント社がモンサント・ポリスを組織し活動しているが、デュポン社もまた、元警察官を雇用してポリスを組織し、特許を守ることになった。モンサント・ポリスは農民を監視し、地域社会を破壊してきたが、同様の事態がもたらされるのではないかと懸念されている。 〔Bloomberg 2012/11/28〕