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ニュース
●欧州事情
●ドイツ裁判所、除草剤研究報告の原文開示を却下
独ブラウンシュヴァイク裁判所は、EUが除草剤ラウンドアップの主成分であるグリホサートを承認する根拠とした、グリホサートの毒性に関する開発者の研究報告の原文の開示請求について、公益上の理由は認められない、との判決を下した。この裁判は、ドイツ政府を相手取り、環境保護団体が起こしていた。裁判所は、情報は「要約」のかたちで十分に公開されている、としている。〔GM Watch 2012/12/18〕
●BASF社、EUから完全撤退へ
昨年1月にヨーロッパからGM部門の撤退を表明したBASF社は、その時点ですでに認可申請していたGMジャガイモ「Fortuna」「Amadea」「Modena」については継続する方針だったが、このほど、ヨーロッパから全面的に撤退することを明らかにした。作物の引き抜きなど反対運動が根強く、先行きが不安定で、投資の見返りが見込めないためだという。〔AFP
2013/1/29〕
●ベルギー裁判所、GMO裁判で不公正な裁定
ベルギーのデンデルモンデ裁判所は、GM作物を引き抜いた事件をめぐる裁判で、市民運動家11名が求めていた、目撃者の証人申請と現場の状況を伝えるビデオ上映を却下した。弁護側の担当弁護士は、公正な裁判を受ける権利を奪うことであり、欧州人権条約第6条に違反する可能性がある、と指摘した。〔Belgian Field Liberation Movement 2013/1/15〕
●GMトウモロコシ「NK603」のデータ公開
欧州食品安全庁(EFSA)は1月4日、モンサント社のGMトウモロコシ「NK603」に関するデータを公開した。仏カーン大学で行われた動物実験で、このGMトウモロコシ「NK603」を与えたラットに悪影響が現われたことから、データの公開が求められていた。EFSAは、モンサント社が提出したデータをウェブ上に公開した。〔Fox
Business 2013/1/14〕
●モンサント社の虚偽広告
オランダの広告基準委員会は、2012年6月にオランダの新聞に掲載した、モンサント社の除草剤「ラウンドアップ」の広告はいくつかの点で誤解を招く恐れがある、という見解を示した。この広告でモンサント社は、ラウンドアップは土壌に一切影響を与えない、残留しない、地下水に浸透しない、と謳っていた。これに対してオランダの市民団体が、ラウンドアップの有効成分であるグリホサートが人体・動物・環境に極めて有害であることはすでに多くの研究で示されている、と申し立てていた。〔Earth
Open Source 2012/12/18〕
●アジア事情
●インド生物多様性国内会議開催
南インドのバンガロールで、第2回インド生物多様性会議(IBC)が、3日間の日程で開催された。会議には、インド全土から科学者、地方政府関係者、環境保護団体、市民グループなどが参加、GM作物規制の必要性が合意された。また、政府に対してGM作物の野外試験栽培の禁止と、食用のBt作物の10年間の栽培停止を求めることが採択された。
〔The Hindu 2013/1/8〕
●アフリカ事情
●GM作物輸入禁止のケニア、賛否の声
昨年11月にGM作物の輸入禁止を決めたケニア政府に対して、禁止撤回を求めGM企業や研究機関などが圧力をかけている。政府が「GM食品が消費者に悪影響を与えないことを示す十分な情報、データ、知見が得られるまで禁止措置を継続する」方針を示したのに対して、GM推進派は、多国籍企業からケニア国内の大学への資金援助の減少や、GM技術を通じた農業の近代化の減速などを懸念している。一方で、GM作物栽培がもたらす生物多様性の喪失や、農薬使用量の増加、小規模農家への影響を危惧する運動団体などからは、GM作物の輸入禁止を歓迎する声が上がっている。〔GM
Education 2012/12/13〕
●中南米事情
●コスタリカでGMトウモロコシ試験栽培承認
コスタリカ政府は、モンサント社のGMトウモロコシの野外試験栽培を承認した。計画では1〜2haの畑で栽培され収穫した種子は、国内の研究用か輸出用となり、国内には流通しないことになっている。環境保護団体は、2013年より栽培反対のキャンペーンを開始すると発表した。
〔The Costa Rica News 2013/1/13〕
●メキシコ農民、GMO商業栽培への抗議のハンスト
GMトウモロコシの商業栽培開始に抗議して、1月23日からメキシコ農民がハンガー・ストライキに入った。場所は、メキシコシティにある独立記念碑・天使の像の前で、20を超える州から農民運動の指導者が集まり開始した。彼らは、日々十分な食料を得られない3000万人を超える仲間たちを代表して、ハンガー・ストライキに取り組むと述べている。 〔La Via Campesina 2013/1/23〕
●北米事情
●間近にせまるGM鮭承認にアラスカ揺れる
アラスカ選出の連邦議会上院議員のマーク・ベギッヒとリサ・ムルコフスキーは、GM鮭のパブリックコメントの期間が60日間では短すぎるとして、延長を求めた。この要求には、オレゴン州、ワシントン州、メリーランド州選出の議員も同調している。〔Alaska Native News 2013/1/14〕
また、これまでアラスカ州議会はGM鮭の導入に反対してきているが、このたび国に対して、市場に出る際に表示を行うことを求める決議を採択した。〔Anchorage Press 2013/1/31〕
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