■2014年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●仏セラリーニ論文掲載取り消しの波紋


 長期間の動物実験によって除草剤耐性トウモロコシと除草剤ラウンドアップの有害性を明らかにした、仏カーン大学の研究者セラリーニ等の論文を掲載した「Food and Chemical Toxicology」誌が、論文掲載は間違いであったとして、掲載を取り下げた。その理由として、証拠が不十分であること、特に問題視しているのはラットの数が少ないことをあげている。〔Nature News 2013/11/28〕
 しかし、掲載後1年以上たってのこの措置は異常であると世界規模で批判が広がっている。セラリーニを追ったドキュメント映画『世界が食べられなくなる日』などにより実験が世界中に伝えられ、反響があったことが取消につながったと考えられる。
 英国の市民団体GM Watchは、取り下げは「不法であり、非科学的であり、非倫理的である」と批判した。なぜなら掲載取り下げは、GMO推進派による徹底的な同誌攻撃が原因であり、今回の措置は攻撃に屈した学術専門誌としての自殺行為である。そして、「Food and Chemical Toxicology」誌には、掲載する論文を審査する科学者に元モンサント社の人間が入っており、今回の取り下げを画策したと思われるからである(本誌2013年7月号参照)。〔GM Watch 2013/12/2〕