■2014年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●中南米事情
●GMサケ養殖場候補のパナマ、環境影響を問題視

 GMサケは、カナダのプリンスエドワード島で受精卵を生産し、当面、パナマの養殖場で孵化・育成する予定だが、このたびカナダ政府が輸出を承認したことから、パナマ環境保護センターはパナマ政府環境省に対して、GMサケが環境に甚大な被害を引き起こす危険性があると申し立てた。2012年にパナマ政府環境省は、カナダでGMサケを試験飼育しているアクアバウンティ社を視察し、3カ月ごとに提出しなければならない報告をせず、処理水排出の許可を得ていないなど、同社の不正行為が続いていることを確認している。〔The Guardian 2013/11/23〕

●アルゼンチンでモンサントと闘う母親襲撃される

 GM大豆に用いる農薬ラウンドアップの空中散布により自身も体を壊し、さらに娘を失った母親が、モンサント社との闘いに立ちあがり、脅しを受けながらも多くの母親とともに住宅地周辺での空中散布をやめさせた。彼女ソフィア・ガティカ(Sofia Gatica)は、昨年4月、草の根の環境保護運動に贈られる国際的な賞「ゴールドマン環境賞」を受賞している。ソフィアは現在、モンサント社に新たな圃場を作らせないための封鎖活動を行なっているが、何者かが「殺す」と脅迫、襲撃を受けた。ソフィアは、「襲撃した『何者』はわかっているが、私は封鎖活動を続ける」と述べた。〔Revolution News 2013/11/23〕
●北米事情
●ハワイ・カウアイ島でGMO規制法成立

 米ハワイ州カウアイ島地方議会で可決した、新たなGM作物の試験栽培やそれに伴う農薬を規制する法律「Bill113」に、首長のビリー・ケノイが「島の貴重な自然を保護しなければいけない」と述べて署名し、正式に発効することになった。これまでGMO規制法は、議会では成立しても首長が署名せず成立しなかったケースが多かった。カウアイ島に続き、マウイ島でも同様の法案が州議会に提出される予定である。〔Huffington Post 2013/12/9〕

●トランス脂肪酸規制でGM大豆に脚光

 米国食品医薬品局(FDA)が、肥満や心臓病などの原因と考えられるトランス脂肪酸の規制を強化する。これによりモンサント社やデュポン・パイオニア社が開発中の、脂肪酸を変更したGM大豆が脚光を浴びることになった。両社のGM大豆はいずれも遺伝子組み換え技術を用いて、オレイン酸をリノール酸に変える酵素の働きを止める。その結果、通常の3倍のオレイン酸を含んでいる。オレイン酸はオリーブオイルの主成分で、悪玉コレステロールの抑制に効果があるといわれている一価不飽和脂肪酸である。〔The New York Times 2013/11〕
●欧州事情
●英政府がモンサント社を支持

 2013年3月にヨーロッパの市民団体が欧州食品安全庁(EFSA)を相手取り、スタック品種が法律の求める適切なリスク評価を行わずに承認したとして提訴した裁判で、この度英国政府はモンサント社支持を明らかにした。〔Sustainable Pulse 2013/11/22〕
●アジア事情
●中国でGMパパイヤ流通

 中国農業科学院バイオテクノロジー研究所と中国農業大学による調査で、上海で販売されているパパイヤの大半がGMパパイヤであることが判明した。それらは海南島、台湾、タイから来たものだという。〔Want China Times 2013/12/9〕

●インドの科学者250人がGMO野外栽培中止の声明

 インドの250人の科学者が、GM作物の野外栽培を中止するよう声明を発表し、モンマハン・シン首相に要請した。これは11月26日にインド最高裁で行われる、公益訴訟によって設立された技術専門委員会のヒアリングに向けてなされたもの。ヒアリングを経て、野外放出に向けた動きが強まることが予想されている。〔DNA India 2013/11/22〕

●中国が米国産トウモロコシの輸入拒否

 中国政府は、未承認GMトウモロコシが含まれていたとして、米国から輸入されたトウモロコシ6万トンの入国を拒否した。中国の国営メディアによると、未承認トウモロコシは、シンジェンタ社の「MIR162」で、入国停止処理がとられたのは深センだった。〔L.A. Times 2013/12/4〕