■2014年3月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●アジア事情
●バングラデシュでGMナス栽培開始

 バングラデシュ初のGM作物であるGMナスの栽培承認を受け、バングラデシュ農業研究所は1月22日、Btナス4品種の苗の分配を開始した。同日、研究所主催の式典では、農業大臣が20人の農家にBtナスの苗を配布した。〔Global Post 2014/1/27〕

●北米事情
●米国のGM食品表示運動、対象を州政府から連邦政府に

 米国のGM食品表示を求める運動はこれまで州議会・州政府への働きかけを行ってきたが、今後は連邦議会・政府への働きかけを強化していくようだ。カリフォルニア州、ワシントン州の住民投票ではGM食品表示法案を成立させることができず、北東部のコネチカット州、メイン州は法案が可決成立したものの、周囲の州で同様の法律が成立しないと発効しない。今年に入りニューハンプシャー州議会ではGM食品表示法案が否決された。このたび200団体が連名で、連邦議会に対しては、GM食品表示を米国食品医薬品局(FDA)へ命じる法案の成立を求め、オバマ大統領に対しては、2007年の大統領選で公約した「GM食品表示の実施」の実行を求めていく。〔Mail Online 2014/2/4ほか〕


●GM芝生、野外試験へ

 テネシー州メアリヴィルにあるスコッツ・ミラ-クルーグロ社は、従業員の家の庭でGM芝生の野外試験を行う。経営最高責任者のジム・ハーゲドルンが株主総会で発表した。用いるのはモンサント社の除草剤耐性芝生。芝生は花粉の飛散距離が長いため、遺伝子汚染をもたらすとして野外栽培への反対意見が強い。〔The Columbus Dispatch 2014/2/5〕
●欧州事情
●フランス社会党がGMトウモロコシ禁止法案提出

 フランス社会党は、すべてのGMトウモロコシ栽培禁止法案を上院に提出した。これまで政府が定めた規制を裁判所がことごとく否定してきたことから、これに対抗するのが目的である。さらにEUがGMトウモロコシ「1507」を承認しようとしていることに対抗するものとみられる。〔Reuters 2014/02/05〕

●フランス元環境大臣がセラリーニ論文取消を批判

 フランスの元環境大臣で、現在は欧州議会議員のコリーヌ・ルパージュが、「Food and Chemical Toxicology(食品と化学毒物学)」誌が、セラリーニ論文掲載を取り消したことを強く批判した。その上で、この論文掲載の取消は、GM作物開発メーカーの圧力に屈したものであり、GM作物を用いた長期の食餌実験を永遠に閉ざすものだ、と指摘した。〔GMO Seralini 2014/1/27〕


●欧州議会特別委が蜂蜜のGM食品表示不要に

 1月16日、欧州議会食品関連特別委員会は、蜂蜜へのGM食品表示は不要という提案を賛成多数で可決した。かねてより米国などEU域外のGM作物栽培国や、GMトウモロコシを栽培するスペインやルーマニアで採取される蜂蜜にGMOの花粉の混入が増加しているため、EUの養蜂家が中心になって要求し、2011年、欧州司法裁判所がEUの立法下では表示をするべきだ、という裁定を下した。しかし、輸入蜂蜜業者らの抵抗もあり、昨年GMOの花粉を含んだ蜂蜜はGM食品として扱わなくてもよいとする提案が欧州議会になされ、審議が進んでいた。〔The Greens-EFA 2014/1/16〕

 そんな折、ドイツで販売されたメキシコ産蜂蜜から、スミソニアン熱帯研究所の検査によってGM大豆の花粉が検出された。メキシコは世界第4位の蜂蜜生産国で、第5位の輸出国である。〔Science News 2014/2/10〕


●欧州議会はGMトウモロコシ1507を承認せず

 欧州議会は1月16日、欧州委員会がすでに承認したGMトウモロコシ「1507」の承認を拒否した。賛成385、反対201、棄権30だった。この「1507」は、デュポン社傘下のパイオニア社とダウ・アグロサイエンス社が共同開発した殺虫性トウモロコシで、合わせて除草剤バスタに抵抗力を持つ。議決には法的拘束力がないものの、各国政府の判断に影響を与えることになる。〔Sustainable Pulse 2014/1/21〕

 2月13日欧州委員会は、EU加盟各国に「1507」に関する賛否を問い、加盟28か国中スペイン、英国、エストニア、スウェーデン、フィンランドの5か国が賛成、ドイツなど4か国が保留、フランスなど19か国が反対だった。反対が多数を占めたが、欧州委員会の裁定により承認されることになりそうである。
〔Science/AAAS 2014/2/13〕


●ロシアでGMO禁止法案国会に提出か

 GM作物を解禁するか否かで揺れているロシアで、国会議員間でGM作物の輸入や栽培を禁止する法案を議会に提出する動きが起きている。法案は、ロシア議会多数派の「統一ロシア」の支持を受けているが、反対意見も強く、提出され成立するかどうか微妙な情勢である。〔Russia Today 2014/2/4〕


●グルジア国会にGM種子輸入禁止法案提出

 2月10日、グルジア国会にGM種子輸入禁止法案が提出された。国会農業委員長は、これまではGM種子の輸入を防ぐことができなかったが、この法律が施行されれば食の安全が守られる、と述べた。〔The Voice of Russia 2014/2/12〕