■2014年7月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●オレゴン州のGMO禁止条例、住民勝利

 オレゴン州ジャクソン郡で5月20日、GM作物栽培禁止条例の住民投票が行われた。提案したのは有機農家で、これに対してバイテク企業が激しい反対運動を組織してきた。この戦いは、旧約聖書中の有名な話、巨人を倒した「ダビデとゴリアテの闘い」に例えられ注目されてきた。モンサント社などの巨人は資金力にものを言わせたテレビCM戦略を展開したが、投票結果は66%という高い支持を得て住民側の勝利となった。〔Globalnews 2014/5/26〕

●米国がエルサルバドルに圧力

 エルサルバドル適正技術センター(CESTA)代表のリカルド・ナバロが、米国のマリ・カルメン・アポンテ大使に、モンサント社のGM種子を購入するよう圧力をかけるのを止めるよう求めた。米国政府は、エルサルバドル政府が除草剤耐性GM作物に必須の除草剤ラウンドアップの使用を禁止していることなどを理由に、同国への支援を中止した。〔Sustainable Pulse 2014/6/11〕

●米国市民の92%がGM食品表示を求める

  6月5日に発表された米国「消費者リポート」の最新の世論調査によると、市民の92%がGM食品表示を行うべきと答え、GM鮭についても92%が表示すべきだとした。米国でも食品表示を求める人が多いことが示された。〔E News Park Forest 2014/6/10〕

●欧州事情
●ブルガリアがGMトウモロコシ禁止政策継続

 ブルガリア政府は、EUによる殺虫性トウモロコシ「MON810」の解禁圧力に対して、禁止政策の継続を明らかにした。同国農相は「ブルガリアの禁止政策が取り消されることはない。しかしながら(商業栽培が行われている隣国の)ルーマニアから入ってくるGMトウモロコシによって汚染された地域もある」と述べた。〔Sustainable Pulse 2014/6/4〕

●仏のGMブドウ畑抗議行動市民に無罪判決

  6月5日フランス控訴裁判所は、GMブドウ畑を破壊したとして逮捕・起訴された54人の市民に無罪を言い渡した。事件は2010年、試験栽培に反対する市民がGMブドウ畑に侵入して引き抜くなどの抗議行動をした。一審で実刑と罰金が言い渡され、市民側が控訴していた。控訴裁判所は、このGMブドウの栽培にはリスク評価に問題があるとして、一審の判決を覆した。〔RFI 2014/6/5〕
●アフリカ事情
●ザンビアでGMO混入コーンフレーク廃棄

 ザンビア中北部の都市ルアンシャ市市長は、GM原料が含まれているボコモ社製のコーンフレークの廃棄を命じた。同国が制定しているバイオセーフティ法違反にあたる0.9%を超えるGMOが含まれていたため。〔Lusaka Times 2014/6/9〕

●ケニアでGM綿商業栽培開始か

 ケニアでGM綿の商業栽培が間もなく開始する。5月29日、ケニア農業大臣のフェリックス・コスゲイがナイロビで述べた。同国では、GM綿の野外試験栽培はすでに終了しており、現在はキャッサバ、トウモロコシ、モロコシが試験栽培中である。〔Coast week 2014/6/2〕
●アジア事情
●インドの有機農家が試験栽培中止求める

 インドの有機農家協会などがGM作物の試験栽培中止を求めて、マハラシュトラ州政府に申し入れた。州政府はすでに28種類のGM作物の試験栽培を承認しており、このまま試験が行われると有機農業ができなくなるおそれがある。同協会によると、Bt綿導入以降、インドの伝統的な綿の品種のほとんどがGMOに汚染されてしまったという。〔The Times of India 2014/6/6〕

●中国政府がGMイネ違法栽培取締りへ

 違法なGMイネ栽培が広がる中国では、輸出先での廃棄や積戻しなどのケースが相次いでいることから、農業省がGM作物の違法栽培取締りを開始した。農業省は自治体に対し、検査設備の充実と摘発を求めた。〔South China Morning 2014/6/11〕