■2014年8月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●GMバナナの人体実験、米国でまもなく開始


 米国でGMバナナを用いた人体実験が始まろうとしている。ビタミンAの前駆体であるベータ・カロチンを増やして栄養価を高めたこの「スーパーバナナ」は、オーストラリア・クイーンズランド工科大学が開発した。開発にはビル&メリンダ・ゲイツ財団が資金提供している。このバナナは、キャベンディッシュ・バナナのベータ・カロチン2マイクログラムを10倍の20マイクログラムに増やしたものである。そのためバナナの果肉がオレンジ色をしている。

 人体実験は米国で6週間かけて行われ、ウガンダでの2020年栽培開始を目標にしている。バナナは、ウガンダを始め東アフリカで主食として広く食されている果物である。〔Russia Today 2014/6/19〕

 これに対してウガンダの研究者は、ウガンダの人びとをモルモットにする計画である、と批判した。ウガンダにはすでにカワンダ研究機構が開発した、「FHIA-25」というビタミンAを多く含んだ非GMのバナナが広く出回っている。〔The Independent 2014/7/7〕
 人体実験は、アイオワ州立大学で行われる。実験参加者は、バナナを食べた後、血液を採取され、900ドルを受け取ることになるという。〔The Guardian 2014/7/9〕

*参考:1マイクログラム=0.001ミリグラム