■2014年8月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●アジア事情
●キルギスタンがGMO禁止に

キルギス共和国は、従来の規制から、GMOの栽培、流通、輸入も含めすべてを禁止する。すでに議会の承認を得、大統領が署名後、施行される。〔Natural Society 2014/6/12〕


●パキスタン高裁、GMO認可取消に

 パキスタンのラホール高等裁判所は、GM綿とGMトウモロコシの認可を取り消す判決を下した。これにより政府は何らかの対応を迫られることになる。裁判は、女性の地位向上に取り組む市民団体「ボランタリー健康&栄養協会」が提訴したもの。〔Mint Press News 2014/7/1〕

●インドでGM稲とGM小麦の試験栽培承認

インドの遺伝子工学評価委員会(GEAC)が、新たに21種類のGM作物の試験栽培を承認した。申請された28種類のうち1種類は承認されず、6種類は追加資料を求められた。今回承認された作物には稲と小麦が含まれている。モンサント社傘下の種子会社マヒコ社は、かねてより乾燥や塩害に強い稲や小麦を開発しており、それらの試験栽培が承認されたものと思われる。この評価委員会のメンバーはGMO推進派によって構成されている。〔DNA India 2014/7/16〕〕

●バングラデシュのBtナス、作付け失敗

 今年栽培を開始したバングラデシュのBtナスが失敗に帰したことが明らかになった。作付けした20人中19人への聞き取りを行ない、その内7人と直接会って話を聞いたガーディアン紙の記者によれば、9人が病気や干ばつ、また本来抵抗力のあるはずの害虫による被害で経済的損失を被っていた。〔ISIS 2014/7/14〕
 しかし、同国農業大臣は、国際綿花諮問委員会(ICAC)の第6回アジア綿花研究開発ネットワークの開会式典のあいさつで、Bt綿の導入に意欲を見せた。〔The Daily Star 2014/6/19〕

●オセアニア事情
●GM飼料計画に有機農家が不安表明

 GMライグラス(イネ科ドクムギ属)を飼料に用いる、乳製品取引協同組合研究センターの計画に、オーストラリアの有機農家が不安を表明した。隣家が栽培したGMOによって汚染され、有機認証が取り消された事件(本誌2014年7月号参照)の二の舞になるのではないか、と懸念が広がっている。養蜂家もまた、蜂蜜への汚染に対して不安を表明した。〔The Sidney Morning Herald 2014/6/23〕

●西豪州の有機農家の裁判、控訴審へ

 隣家が栽培したGMOによって汚染され、有機認証を取り消された有機農家が隣家を相手取り損害賠償を求めていた裁判は2014年5月、敗訴の判決が下された。敗訴した西オーストラリア州の有機農家スティーブ・マーシュは、控訴期限の6月18日までに控訴裁判所に控訴した。今後、6〜12カ月かけて審理が行われる。〔Sustainable Pulse 2014/6/26〕

●豪州で有機認証制度、0%から混入率設定へ

 有機農家スティーブ・マーシュが提訴した裁判の最高裁判決は、一切のGMO混入を認めない(0%許容値)現在のオーガニック規格を見直し、混入率を設定するよう求めた。新たな混入率が有機認証会議より8月にも発表される可能性が出てきた。GM汚染の起こった西オーストラリア州の農業省は0.9%に引き上げるよう求めている。〔Australian Broadcasting Corporation 2014/6/19〕


●ニュージーランド北部地方GMO禁止地帯に

 ニュージーランドの北島最北端ノースランドと、その主要都市ワンガレイは、現在の規制から全面的なGMO禁止へと規制強化を検討している。この地域は、先住民のマオリの人たちが多数を占めている。〔The Northern Advocate 2014/7/1〕
●アフリカ事情
●解禁間近、ケニアのBt綿栽培にもゲイツ財団

 GM作物栽培禁止政策を採ってきたケニアだが、解禁圧力が強まり、Bt綿の商業栽培を間もなく開始することになった。この解禁圧力キャンペーンに、GM作物開発に多額の資金提供をしているビル&メリンダ・ゲイツ財団が関わっていることが明らかになった。〔Standard Digital News 2014/6/23〕

●マラウイで反GMO連合結成

 アフリカ南東部に位置するマラウイ共和国で、市民団体や有機農業など19団体がGM綿栽培に反対する市民連合を結成した。マラウイの人々の暮らしと農業を守るため、モンサント社に対抗する旨の宣言をした。〔Far Eastern Agriculture 2014/7/9〕