■2014年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●アジア事情
●ベトナムがGM作物を初承認
 ベトナム農業農村開発省が、4種類のGMトウモロコシについて食用・飼料用の栽培・流通を承認した。食用・飼料用ともにGM作物の認可は初めて。認可されたのはBt11、MIR162、MON89034、NK603。2009年に決定された、2015年からのGM作物栽培商業化の最初の作物となる見通し。〔Ohio’s Country Journal 2014/9/1ほか〕

●中国・学生食堂でBt米使用、学生に白血病急増
 中国武漢にある華中農業大学で、通常の3倍の白血病患者が発生している。Bt稲を開発した華中農大は、入学してきた学生にGM作物の推進を義務付け、学生食堂では実験中のGM稲が使用されていた。そのため通常は10万人あたり2〜3人程度であるのに、すでに10人以上の学生が白血病に罹患し、そのほとんどが急性であった。Bt稲を用いたスイスの研究で、Bt毒素がマウスの赤血球を破壊した事例があり、白血病との関係もあり得ると考えられる。〔中国災害防御協会災害史専門委員会顧問ブログ 2014/8/14〕

●中国がGM作物栽培延長認めず
 中国は、2009年8月に5年間の期限付きで許可した、GM稲2種類とトウモロコシ1種類の延長を認めず、8月に期限終了を迎えた。GM稲は2種類ともBt稲で、トウモロコシは成長を早めるための組み換えがされていた。稲は華中農業大学で、トウモロコシは北京にある中国科学院農業科学バイオテクノロジー研究所で試験栽培していた。決定にあたっては、度重なる未承認GM稲流通が影響を及ぼしたと考えられる。〔RT News 2014/8/21〕
●欧州事情
●ロシアがGM食品表示違反に罰金制度導入
 ロシア立法委員会は9月2日、さらなるGM食品表示の厳密化のために、偽表示への罰金を科す監視制度を設けるべきだとする消費者安全監視機関の答申を採択した。〔Russian Legal Information Agency 2014/8/19〕

●独最大スーパーが鶏肉のGMOフリー再開求める
 今年2月、ドイツ鶏肉協会(ZDG)は、非GM作物の飼料供給が難しくなったため、英国やデンマークの鶏肉協会とともにGMOフリーの中止を宣言した。しかし、8月28日ドイツ最大のスーパー・チェーンは、ブラジルに充分な非GM作物飼料があるとして、ZDGに2015年1月1日よりGMOフリー鶏肉の再開を求めた。〔Global GMO-Free Coalition 2014/9/2〕

●またもウクライナへのIMF資金にGMO導入条項が
 米カリフォルニア州にあるオークランド研究所によれば、内戦を抱え経済危機に陥るウクライナに対して、国連の国際通貨基金(IMF)による170億ドルの資金供与が決定したが、用途に付けられた条件にGM作物導入が含まれているという。2013年にも同様の条件があったため、当時のヤヌコヴィッチ大統領が資金供与を断っている。〔Russia Today 2014/9/3〕

●北米事情
●米コロラド州でGM食品表示法案投票へ
 米国コロラド州のGM食品表示法案の住民投票に必要な署名が16万7995筆に達した。署名を集めたのは「GMOを知る権利コロラド」で、最終的な確認を経て投票が実施される。〔Lexology 2014/8/28〕

●GMOフリー牛乳使用を求めるスタバへのキャンペーン
 米国の消費者団体グリーン・アメリカは、コーヒー・チェーン店のスターバックスに対して、GM飼料を用いた牛乳を使用しないよう求めた。団体によると、牛乳の大量購入者であるスターバックスは、製造流通に大きな変化をもたらす世界的な企業であること、また消費者に、GM作物が大量の飼料として使用されている現実を知ってもらうのが大きな目的だという。有機消費者協会もスターバックスCEOへの8万筆を超える請願署名を集めている。 〔The Nation 2014/9/8〕

●米コーネル大がGMO推進助成金獲得
 米コーネル大学がGM作物推進を目的とする助成金560万ドルを獲得した。資金提供者はビル&メリンダ・ゲイツ財団。アフリカの人々のGM作物への抵抗感をなくすために科学者を組織し、情報を提供していく資金になる予定。〔Cornell Chronicle 2014/9/5〕