■2014年10月号

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バイオジャーナル

ニュース



●GM樹木
●米国とブラジルでGMユーカリ植林へ
 ブラジルと米国でGM樹木を植林する手続きが最終段階を迎えている。ブラジルではまもなくパブリックコメント募集が始まり、米国ではまもなく環境影響評価案が示される。両国で植林を計画しているのはArborGen社で、植えるのは成長を早めたユーカリである。同社によれば、米国で植林が進めばユーカリの面積は現在の4倍に達すると予測している。またブラジルのアナリストによれば、同国でのユーカリ製品の市場は20年間で5倍になると推定している。〔Business Mirror 2014/8/23〕
●企業動向
●中国の米国産コーン輸入拒否問題、企業間訴訟に
 穀物大手のカーギル社は、中国への輸出品に未承認GMトウモロコシが混入していたため受け取りを拒否され損害を被ったとして、9000万ドルの損害賠償を求めて開発社のシンジェンタ社を訴えた。カーギル社は「シンジェンタ社は他の種子会社と異なり、中国のように重要な輸出市場から承認を得る前に商品化してしまい、信頼できる管理を実行していない」。対するシンジェンタ社は「該当のGMトウモロコシ『MIR162』は、2010年に米国で承認され、主なトウモロコシ輸入国から輸入承認を得た」というが、中国は2013年11月以来、米国産トウモロコシの輸入を拒否し、8月にはGMトウモロコシ及びGM稲の試験栽培も終了した。〔Star Tribune 2014/9/13〕

●モンサント社の未承認GM小麦損害賠償裁判
 2013年、オレゴン州で未承認GM小麦の自生が発覚し、日本や韓国が輸入停止するなどで損害を被った農家がモンサント社を訴えた件で、太平洋側の一部の農家と同社の交渉が合意に達した。しかし、訴訟はオレゴン州、ワシントン州、アイダホ州に広がっており、大半の農家とは係争が続いている。〔WSUIS 2014/9/10〕
●省庁動向
●GM作物の隔離圃場試験を省略
 8月8日農水省は、GMトウモロコシの生物多様性影響評価の際、組み換えられた遺伝子の構造や作用が十分に理解されているなど、一定の条件が整えば隔離圃場での試験栽培を省略できるという、審査の簡略化を提示した。パブリックコメント(9月6日締切)を経て施行される。隔離圃場の栽培試験は、日本で栽培実績がないGM作物について日本の環境への影響を見るもので、生物多様性影響評価としては必要不可欠であり、今回の対象はトウモロコシだけだが、他の作物に波及することは必至である。

●ヒトES細胞の臨床利用
 iPS細胞を軸に開発が進められてきた、安倍政権の経済成長戦略の柱の1つである再生医療に、新たにES細胞が加わることになった。ES細胞は受精卵を壊して作成するため倫理的な歯止めがかけられていたが、8月7日文科省と厚労省は、ヒトES細胞の臨床利用を可能にする「ヒトES細胞の樹立に関する指針(案)」をまとめ、発表した。

●クモの糸を産出するGM蚕
 8月27日、独立行政法人・農業生物資源研究所が強く切れにくいクモの糸を産みだすGM蚕を作成した。このクモ糸シルクは通常のシルクの1.5倍切れにくいという。米国でも、Kraig Biocraft Laboratories社が、クモの特定の遺伝子を導入したGM蚕が産みだす「モンスターシルク」の商業化を目指している。