■2014年12月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る






























バイオジャーナル

ニュース



●アフリカ事情
●カメルーンの綿栽培、3年計画でGM綿に切り替え

 北カメルーンのカメルーン・コットン開発公社(Sodecoton)は、GM綿の試験栽培が来年より第二段階に入り、3年以内に本格的な商業栽培を開始する計画を明らかにした。現在、コットン開発公社は年間23万トンの綿を生産しているが、徐々にGM綿に切り替えていく予定。〔Business in Cameroon 2014/11/3〕
●アジア事情
●インドの農業大学でGMトウモロコシの試験栽培

  約400の団体で構成される「GMフリー・インドのための連合」は、マハラシュトラ州の農業大学(Mahatma Phule Krishi Vidyapeeth)で行われているGMトウモロコシの試験栽培に反対して、大学に説明を求めた。栽培しているのは除草剤耐性と殺虫性を併せ持つスタック品種で、モンサント社は栽培試験に25.77lakh rupee(約433万円)の資金を提供している。現在、マハラシュトラ州では2つの大学でモンサント社のGMトウモロコシの試験栽培が行われている。〔Economic Times 2014/10/30〕

●インドでGMマスタードとGMナスの野外試験承認

 インド政府は、前内閣時代に一旦凍結していた、GMマスタードとGMナスの野外試験栽培を承認した。デリー大学でGMマスタードを、マハラシュトラ州にあるBejoseed社でGMナスを栽培する。〔Hindustan Times 2014/10/26〕

●表示施行を前に、台湾の人々のGM食品へのとまどい

 台湾ではGM食品表示制度を来年2016年1月1日から施行することになった。施行を前に、GM作物が注目されている。長庚記念病院の毒性学者顔宗海は、GM食品はアレルギーを引き起こし、器官に損傷をもたらす可能性があるという見解を述べた。一方、董氏基金会の食品・栄養管理者の許寞ハは、新しい技術には常に利点と損失がある。安価なGM食品は食料供給に寄与するが、GM食品の長期的摂取による結果を検討しなければならない。多くの消費者や親が学校給食でGM食品を使用しないよう政府に要求しているが、GM食品を排除するとコストがかかり、政府が補助金を支出するか親が負担することになる、と述べている。〔Taiwan News 2014/11/4〕
●国際条約
●生物多様性条約COP12で合成生物学規制を確認

 韓国平昌で開催された生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)で、合成生物学の規制に取り組むことが全会一致で採択された。合成生物学は「生物を合成することで生命を解明する学問」で、従来の生物学が行ってきた分解的方法から、それらの要素を組み立てていく構成的方法をとおして生命を解明していくもの。合成生物学は学問分野だが、同時に具体的に生物を合成することになる。そのため、生物多様性に悪影響をおよぼさないよう、リスク評価・管理・規制などの枠組みを設けることが全会一致で求められた。しかし、具体的な内容については曖昧なままで、実際に有効な枠組みができるかどうかは、これからの議論に委ねられる。〔SynBio Watch 2014/10/20〕