■2015年4月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●米連邦議会にGM食品表示法案再提出

 米国連邦議会上院にGM食品表示法案が提出された。提出したのはカリフォルニア州選出のバーバラ・ボクサーとコネチカット州選出のリチャード・ブルーメンソールで、かつて否決された法案を再提出した。〔Consumer Product Matters 2015/2/20〕

●チョコレートのハーシー社がGMO排除へ

 米国のチョコレートメーカーのハーシー社は、最も売れているハーシーキスチョコレート・クリームミルクとハーシーミルクチョコレートバーの原材料からGMOを排除すると宣言した。すでに一部の製品で、GMトウモロコシが使われている異性化糖の使用を止めており、今後はGMテンサイ由来の砂糖、GM牛成長ホルモン使用の牛乳、GM大豆由来の乳化剤の使用を止める。〔Daily Mail Online 2015/2/25〕
●南米事情
●GMユーカリの野外栽培に反対するブラジル市民

 GMユーカリの野外栽培に反対する人々がブラジル全土で抗議の声を挙げた。「ブラジル土地を持たない労働運動」(MST)の女性たちはブラジル全土から1000人が集まり、ブラジル大手製紙会社スザノ社の子会社フトゥラジーン技術ブラジル社を占拠し、栽培中のGMユーカリを伐採した。中小規模の生産者たちによる農民運動の国際組織「ビア・カンペシーナ」主催の行動では、300人の農民がGM植物の野外栽培の可否を審議する、政府のバイオセーフティ技術委員会会議場を占拠し、会議は流会した。〔Phys Org 2015/3/5〕
●アフリカ事情
●マラウィでGMササゲ承認に反対する市民

 マラウィでGMササゲ(Cowpea)に反対する市民運動が広がっている。在来種を守るために、環境保護団体「環境正義のためのコモンズ」を中心に小規模農家、宗教団体、有機農家など19団体が結集して、リロングウェ大学ブンダ校が申請したGMササゲの野外栽培を認可しないよう政府に求めた。〔Alliance for Food Sovereignty in Africa AFSA 2015/3/3〕
●欧州事情
●ドイツ全土でのGMO禁止を望む州政府

 1月に可決成立した、EU加盟国が独自にGM作物栽培の禁止を可能とする新GMO政策の施行を前に、ドイツ政府内では大臣間の対応に食い違いが生じている。環境省はGM作物栽培禁止の検討に入り、環境大臣は全面禁止を打ち出している。しかし、農業大臣は国としては禁止するものの州政府に裁量権を残す方針を出した。その州政府の対応は、ドイツ通信社(DPA)の調査によると、全16州のほとんどが国としてのGM作物栽培禁止を求めている。〔Europe Online 2015/2/28〕
●遺伝子組み換え作物
●慈恵医大でGM稲の臨床試験始まる

 慈恵医大でスギ花粉症治療稲の臨床試験が始まった。このGM稲は、花粉症を引き起こすアレルゲンの遺伝子に変更を加え、タンパク質の立体構造を変えたもので、そのタンパク質をカプセルにして販売する予定。ご飯で食べる、従来の花粉症緩和稲(スギ花粉症ペプチド含有稲)とは異なる使用方法だが、いずれもアレルゲンに慣らしていく減感作療法が目的である。臨床試験が始まれば、試料確保のための試験栽培面積も拡大していくことが予想される。〔日本経済新聞 2015/2/28〕

●新たな耐熱性小麦

 米国カンザス州立大学植物形質転換実験室の植物病理学者ハロルド・トリックらが、小麦育種学者アラン・フリッツらの協力を得て、稲の遺伝子を混合して導入した、新しい種類の耐熱性小麦を開発した。〔Cjonline 2015/2/14〕