■2015年5月号

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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●米加でGMジャガイモとGMリンゴの市場化間近か

 3月20日、米国食品安全局(FDA)は、米シンプロット社が申請していたGMジャガイモ6種類と、カナダ・オカナガン社が申請していたGMリンゴ2種類について「安全」と評価した。カナダ政府食品検査庁と保健省もGMリンゴを安全と評価し、市場流通を認めた。
米国では、2月にGMリンゴが栽培承認され、ジャガイモも現在、栽培承認を前提にした一般からの意見の募集中であることから、商業栽培はまもなくと見られる。〔Artic Apples 2015/3/20〕

 一方、ヨーロッパでは、GMリンゴがEUでも販売されるのではないかと懸念が強まっている。現在、カナダEU包括的経済貿易協定(CETA)の協議が、米国・EU間では環大西洋貿易投資協定(TTIP)の協議が進行中で、ともにGM作物の規制緩和が焦点になっているからである。〔Rabble 2015/3/24〕

●南米事情
●ブラジルでGMユーカリ承認

 ブラジルのバイオセーフティ技術委員会は、GM樹木栽培を承認した。このGM樹木は、大手製紙会社スザノ社の子会社フトゥラジーン技術ブラジル社が開発したユーカリで、国際的な反対運動が取り組まれていた(本誌2015年4月号参照)。この承認に対して、中小規模の生産者たちによる農民運動の国際組織「ビア・カンペシーナ」は、闘争を継続して行うと述べた。〔Campaign to Stop GE Trees 2015/4/9〕
●欧州事情
●アゼルバイジャン、GMO禁止違反者への罰則強化

 アゼルバイジャンはGMOの輸入・販売・栽培を禁止しているが、新たに罰則の強化に乗りだした。同国議会の農業委員会に、刑法を改正し、違反者に懲役や罰金を科すという案が提出された。〔Azer News 2015/4/8〕
●アフリカ事情
●アフリカの種子をGMOにするための国際会議

 3月23日、従来のアフリカの種子供給システムを止めさせ、GM作物を普及させるための国際会議がロンドンで開催された。会議には、先進国の研究所・開発機関、アフリカからはGMOを推進するアフリカ・バイオセーフティ・センター(ABC)などが参加した。会議では、ABCのマリアム・マイエ代表が、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と米国国際開発庁(USAID)が支援した「モニター・デロイト研究」を報告した。この研究は、アフリカのGM種子開発のモデル作りを目指したもので、トウモロコシ、コメ、ソルガム、ササゲ、インゲンマメ、キャッサバ、サツマイモを対象に、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、タンザニア、ザンビアで実施されている。〔Ghana Web 2015/3/15〕
●アジア事情
●ベトナムがGM作物栽培を初承認

 3月18日、ベトナム農業農村開発庁は、モンサント社傘下のデカルプ・ベトナム社が申請した2種類のGMトウモロコシと、スイス・シンジェンタ社傘下のシンジェンタ・ベトナム社が申請した2種類のGMトウモロコシの栽培を承認した。ベトナムはこれまでGM作物の輸入・流通は認めていたが、栽培を承認したのは初めてである。今回、栽培を承認したのは、モンサント社の殺虫性トウモロコシ「MON89034」と除草剤耐性トウモロコシ「NK603」、シンジェンタ社の殺虫性+除草剤耐性トウモロコシ「Bt11」と殺虫性トウモロコシ「MIR162」。年内にも栽培を開始し、2020年には農地の30〜50%をGM作物にする予定だという。〔Thanh Nien Daily 2015/3/19ほか〕