■2015年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●新GMO政策施行でEU各国がGM作物栽培禁止に


 今年1月、EUがGM作物栽培禁止を各国判断に委ねる「オプトアウト(Opt Out:選択的離脱)」政策を採用したことから、各国が栽培禁止に向けて動き始めた。
最初に正式に禁止を打ち出したのが、バルト三国のラトビアとギリシャである。だが、モンサント社はすぐさま非難声明を出した。2か国が正式に禁止を打ち出した直前、EU加盟15カ国と西バルカン諸国は、GMOフリー政策を推進するための会議をスロベニアで開催した。栽培禁止を目指すEU加盟国とバルカン半島のEU非加盟国が「EUにおけるGMOフリー・モデル」を提案し、実施に向けた議論を行なった。8月24日、ドイツ農業大臣のクリスティアン・シュミットは、EUの新GMO政策に基づきGM作物栽培を禁止すると各州政府に伝えた。フランス政府も、EUが承認した作物であっても栽培禁止を可能にする法案を国会が承認、環境省が法律を補足して態勢を整えた。

だが、新GMO政策施行と引き換えにEUは、デュポン・パイオニアとダウ・ケミカルが共同で開発したGMトウモロコシ「1507」をまもなく承認するようだ。このGMトウモロコシは申請から15年が経過している。
 現在、GM作物を推進している国は、すでに栽培しているスペインとポルトガルを除くと、英国ぐらいである。その英国も、栽培支持はイングランドだけで、スコットランドやウェールズは栽培反対の意向を示している。新GMO政策について米国政府は、EUとの間で協議が進められている自由貿易協定の最大の障壁になっている、と批判した。〔Eco Watch 2015/9/3ほか〕