■2015年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●韓国GMO事情、食品表示厳格化は立ち消えか


 国連が定めた世界食料デーの10月16日、韓国のモンサント・コリア社が入っているビルの前で、韓国の市民団体「GMO反対生命運動連帯」と日本の市民グループが抗議集会を開催した。韓国ではこのような集会を開くことが規制されているため、記者会見という名目で行われた。この日は国際消費者機構による「化学調味料を食べない日」でもあり、韓国では5年前から「反モンサントの日」として抗議集会を開催している。

 集会後に開かれた講演会のテーマは食品表示問題とGM稲。今年初めに「ハンギョレ新聞」が、表示対象の上位5品目限定をなくす、GMO混入率容認を従来の3%から1%に厳格化するなどのGM食品表示改正の動きを伝えた。政府の食品医薬品安全庁で検討されていたが、現在は立ち消えの状態になっているという報告があった。

 また、農林畜産食品部農村振興庁GM作物実用化事業団が開発したGM稲の商業栽培も現実味を帯びてきた。最初に登場予定なのが化粧品の成分を作るGM稲で、「食べない」ことを前面に出して、韓国で初めての自国開発のGM作物栽培を軌道に乗せたいようだ。続いて糖尿病・心臓病予防を謳った稲2種類、ウイルス抵抗性トウガラシ、除草剤耐性芝の申請を準備している。