■2015年11月号

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バイオジャーナル

ニュース



●GMO汚染
●フィリピンの有機畑でGMO汚染確認

 フィリピン・ミンダナオ島の有機農家がGMO汚染を懸念して調査を依頼したところ、汚染が確認された。市民や科学者で構成される市民団体「マジパグ(MASIPAG)」が調査し、有機のホワイト・コーン「Sige-sige」からモンサントの除草剤耐性トウモロコシを見つけた。昨年9月に環境保護団体グリーンピースが同様の調査を行なった際にもGMトウモロコシが見つかっている。ダバオシティ・オーガニック連合によると、この品種は年間を通して複数回栽培が可能だという。マジパグは、有機農業を守るために、ダバオ市が施行している有機農業条例の強化を求めた。〔Davao Today 2015/9/15〕

●米国の有機農家のGMO汚染による経済的損失

 米国農務省が92の有機農家を調査したところ、2011年から2014年にかけて、GMO汚染に伴う経済的損失は、1農家当たり6万6395ドル(約800万円)に上ることが判明した。特に問題なのは、汚染の可能性があると、業者が有機農産物を購入しないことにある。この損失額は、2006年から2011年までの6年間の77倍になる。〔Food & Water Watch 2015/9/22〕
●ゲノム編集
●中国で開発されたマイクロブタへの批判強まる

 中国でゲノム編集技術によってペット用に作られた、ミニブタよりさらに小さなマイクロブタに対して、動物愛護団体、宗教団体などから批判が強まっている。開発したのは北京ゲノム研究所で、通常の豚が体重100kg以上あるのに対して、この豚はわずか15kg程度しかない。〔The Tribune 2015/10/4〕
●省庁動向
●食品安全委員会見解、GM食品への不安感は減少傾向

 10月2日、報道関係者との意見交換会の席上、食品安全委員会の東條功事務局次長は「遺伝子組み換え食品の健康評価について」の報告を行ない、「消費者のGM食品に対する不安感は減少傾向にある」と述べた。〔日経バイオテク 2015/10/7〕

●アクリルアミド低減ジャガイモの審議、継続へ

 9月28日、食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会は、アクリルアミド産生低減及び打撲黒斑低減ジャガイモの審議を行なった。今年1月の会合では、挿入した遺伝子が作り出すタンパク質について、人工胃液・腸液を用いた実験で、胃液では30秒以内に消化されるが、腸液では360分経っても消化されないという問題点が明らかになった。また、抗生物質耐性遺伝子が3種類使われており、その内アンピシリンとクロラムフェニコール耐性遺伝子は最終的に脱落するが、カナマイシン耐性遺伝子は残ることが示されるなど、問題点が多く指摘された。今回の審議でも問題点は解消されず、継続審議となった。