■2016年3月号

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バイオジャーナル

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●北米事情
●米国州議会にGM食品表示法案が次々に上程

 米国では昨2015年、GM食品表示法案が30の州議会に提案され、現在もさまざまな形で審議が続いている。Webサイト「EcoWatch」によると、ニューヨーク州では2011年以降、GM食品や種子の表示、GM鮭の販売禁止など70近い法案が議会に提出されたが、まだ成立していない。メイン州ではGM食品表示法が成立したが、隣接する州で同様の法律が成立しないと発効しないため、その条件を取り除く法案が提出され審議中だ。マサチューセッツ州では、昨年9月に食品表示を義務化する「知る権利法案」が提出され、現在審議中。ロードアイランド州では、GM食品表示に関する3法案が提出された。1つ目は、売上高50万ドルを超える食品企業へ表示を求めたもの、2つ目は、GM動物が生産した乳や乳製品への表示を求めたもの、3つ目は、2017年1月1日から全GM食品に表示義務を課すものである。フロリダ州では、草の根運動が誕生させた州議会上院議員のマリア・サックスが、GM食品表示法案を提出した。ミズーリ州でもGM食品表示法案が提出された。同州では91.1%の市民が表示法案を支持している。ニュージャージー州議会上院ではGM食品表示法案を審議中だが、法案が成立すると6カ月後に表示が義務付けられる。〔EcoWatch 2016/1/29ほか〕

●「ふじ」から作り出したGMリンゴをUSDAに申請

 昨年、米国農務省(USDA)はカナダ・オカナガン社が開発した、皮をむいても変色しないGMリンゴ2種の販売を承認した。同社はこのたび新たに1品種について販売承認の申請を提出した。すでに承認された品種は「北極ゴールデン」と「北極グラニィ」だが、今回は日本産「ふじ」から作り出した「北極ふじ」で、日本市場への影響が懸念される。〔The Seattle Times 2016/1/23〕

●GM鮭禁止を目指す米国各州の動き

 昨年11月の米国食品医薬品局(FDA)による成長スピードを速めたGM鮭承認以降、各州でさまざまな動きが起きている。オレゴン州議会下院は、GM鮭の表示義務を課す法案を可決し、上院に送った。ハワイ州では、GM鮭の養殖を禁止する「法案686」が、民主党のカニエラ・イングとジョーン・ミズノにより州議会下院に提出され、すでに公聴会が開かれている。アラスカ州では、GM鮭の表示を義務付けた法律が施行されているが、さらに、GM魚販売禁止法案の審議が始まっている。〔Civil Beat News 2016/2/7ほか〕

●米国食品医薬品局が「第二世代」GMジャガイモを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、JRシンプロット社が申請していた「第二世代」と呼ばれるGMジャガイモを承認した。すでに承認されている「第一世代Innate」のGMジャガイモは、RNA干渉技術を用いて過熱した際に生じる発癌物質のアクリルアミドを低減させたものだが、今回のジャガイモはアクリルアミド低減に加えて、GM技術でアルゼンチン産ジャガイモ由来の耐病遺伝子を導入し、葉枯れ耐性の性質ももつ。第一世代ジャガイモは米国内ですでに栽培が始まっている。第二世代も、昨年農務省の承認を得ており、パブリックコメントを経て正式に承認される。〔Capital Press 2016/1/13〕
●アジア事情
●バングラデシュでGMジャガイモ栽培申請

 バングラデシュ農業研究所(BARI)が開発した耐病性ジャガイモの栽培申請が出された。国を挙げて開発を進めてきたもので、すでに食品としての安全性試験が終了している。〔PotatoPro 2016/2/7〕
●アフリカ事情
●ケニアがGMトウモロコシ試験栽培を承認

 ケニアのバイオセーフティ局がBtトウモロコシの試験栽培を承認した。このGMトウモロコシは、ケニア農業畜産研究機構とアフリカ農業技術財団が共同開発したもの。今回の試験栽培は主に環境影響評価が目的である。〔all Africa 2016/2/11〕
●GM飼料添加物
●農水省認可のGM飼料添加物

 農水省の独立行政法人・農林水産消費安全技術センターは、すでに承認している飼料添加物の一覧を初めて公開した。1月26日に高度精製品のL-トレオニン(味の素)、2月2日にセルフクローニングのL-トリプトファン(味の素)、リボフラビン(BASFジャパン)など。添加物名はこれまで公開してこなかった。