■2016年5月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●2015年世界のGM作物栽培状況


 4月14日、例年よりかなり遅れて、国際アグリバイオ技術事業団(ISAAA)が2015年のGM作物栽培面積を、従来よりも簡略して発表した。それによると、昨年の総栽培面積は1億7970万haで、前年の1億8150万haを下回り、これまで右肩上がりだった栽培面積が初めて減少した。前年同様、GM栽培農家1800万戸の大半は、中国660万戸とインド770万の小規模農家である。ほとんどがBt綿を作付けしており、1530万haにおよぶ。
GM作物栽培国は28か国で、最大が米国の7090万ha(前年7310万)、続いてブラジルが4420万ha(同4220万)、アルゼンチンが2450万ha(同2430万)、インドが1160万ha(同1160万)、カナダが1100万ha(同1160万)で、米国とカナダは栽培面積が減少した。
米国、ブラジル、アルゼンチンの三大栽培国で全体の約77.7%(1億3960万ha)を占め、栽培国が限定していることに変わりはない。昨年はベトナムで初めてGMトウモロコシが栽培された。

ISAAAは、耐乾燥性トウモロコシが81万ha作付けされたことを昨年の特徴として強調している。また、複数の性質を持たせた、スタック品種と呼ばれるGM作物が5850万ha作付けされ、全体の33%に達している。
その他、新たに、ゲノム編集技術を用いた除草剤耐性キャノーラや、RNA干渉技術を用いたアクリルアミド低減ジャガイモの栽培が始まった。また、茶色に変色しないリンゴや成長が早い鮭の承認、カナダのGMキャノーラ栽培が23%減少したことがあげられている。〔ISAAA 2016/4/14〕