■2016年6月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

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●アジア事情
●中国がBtトウモロコシ栽培を推進

 中国政府高官が、GM作物の違法栽培を防ぐための種子市場の監視強化とともに、Btトウモロコシの商業栽培を推進すると述べた。4月13日の記者会見で、中国農業省の科学技術教育部門の遼西園部門長は、2016年から20年の第13次5か年計画で、Btトウモロコシ栽培を推進するという。これまでGM作物に慎重だった同国の姿勢が転換されることになる。〔China Daily 2016/4/14〕

●インドでBt綿の害虫被害拡大

 インドのパンジャブ州とハリヤナ州で、綿畑の3分の2が害虫被害によって大打撃を被った。現在インドでは栽培綿の95%がBt綿になっている。インドは世界の綿栽培の4分の1を占めているが、単位面積当たりの収量はこの10年間、1ヘクタール当たり470〜550kgと世界平均を大きく下回っている。毎年、害虫の被害に苦しんでおり、2015年には上記2州でコナジラミが大量発生し、大幅な収量減に陥った。〔The Hindu Business Line 2016/5/6〕

●EU事情
●グリホサート再認可をめぐり揺れるEU

 4月13日欧州議会本会議は、グリホサートを条件付きで再認可した。昨年3月、世界保健機関(WHO)の国際癌研究機関(IARC)が、除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートについて、発癌性の可能性が大きい「グループ2A」と評価したのを契機に、今年6月に認可期限の迫ったグリホサートを再認可すべきかどうかが議論されてきた。今年3月、欧州議会環境委員会は再認可しなかったが、本会議で逆転し、認可期間を従来の15年から7年へと厳しくしたものの、欧州議会は再認可を容認した。しかし、この決議は拘束力を持たないため、決定権を持つ欧州委員会が、7年ではなく9年に延長して欧州委員会植物・動物・食品・飼料委員会に諮った。これに対して欧州議会議員からの批判が高まり、5月19日、植物・動物・食品・飼料委員会は再認可を許可することはできなかった。このままでは時間切れでグリホサートは認可切れとなり、EUでは使えなくなる。〔EU Today 2016/4/27〕

●北米事情
●カナダ保健省がGM鮭を承認

 5月19日、カナダ保健省はGM鮭を安全だとして承認した。これにより米国に続きカナダでもGM鮭の食品としての流通が可能になった。世論調査では88%の人がGM鮭は表示すべきだとしている。〔CBAN 2016/5/19〕