■2016年10月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●アフリカ事情
●ナイジェリアでGM綿導入に向け会議開催

 8月中旬、ナイジェリア政府農業・農村開発庁、環境庁、科学技術庁の大臣が列席して、バイオテクノロジー専門家会議が開催され、2019年のGM綿導入に向けて「ナイジェリア人の利益のためのGM作物推進」が決議された。会議にはGMOを推進している科学者しか招かれておらず、問題点を指摘しているアフマド・ベロ大学農業研究所の科学者は招待されなかった。〔Premium Times Nigeria 2016/8/29〕


●ゲノム編集
●ゲノム編集技術によるスピード成長するトラフグ

 京都大学の木下政人と水産研究・教育機構の研究チームが、筋肉の成長を制御しているミオスタチン遺伝子をゲノム編集技術で破壊し、2倍のスピードで成長するトラフグを開発した。現在、魚だけでなく家畜でも、ミオスタチン遺伝子を破壊して成長を早めたり、筋肉質にする動物の開発が世界中で競うように行われている。〔NHK 2016/9/9〕



●日本ゲノム編集学会初開催

 9月6〜7日、初めて日本ゲノム編集学会が開催された。日本では広島大学大学院理学研究科教授山本卓がこの分野をけん引してきたことから広島で開催され、アルカロイド低減ジャガイモなどの実績が報告された。また8月26日には、国際食品科学連合日本支部主催で「先端バイオテクノロジーを用いた農産物の機能開発」に関するシンポジウムが開催された。中心テーマはゲノム編集技術による作物開発だった。
●遺伝子ドライブ技術
●遺伝子ドライブ技術の停止を求める決議

 8月下旬、世界自然保護会議がハワイ・オアフ島で開催され、参加したNGO、政府代表、科学技術機関などにより、遺伝子ドライブ技術の停止が決議された。遺伝子ドライブ技術は、生物のDNAにCRISPR-Cas9遺伝子を組み込み、DNAを切断し続ける技術で、遺伝して後代に及ぶ危険性もある。また、絶滅兵器として軍事利用も考えられており、多くの科学者が停止を求めてきた。この会議にもフリチョフ・カペラなど多くの科学者が世界中から賛同を寄せ、8月26日にはその書簡が公開された。〔Friends of the Earth 2016/9/1〕