■2016年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●モンサント社がゲノム編集の特許独占使用権を取得



 9月22日モンサント社は、ブロード研究所が持つCRISPR/Cas9の独占的使用権を取得した。これにより、デュポン社が先行していたCRISPR/Cas9を用いた作物開発にモンサント社が参戦するとともに、特許紛争が激化することになる。

CRISPR/Cas9が大腸菌で働くことを確認し、最初に論文発表したのはカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナとスウェーデン・ウメオ大学のエマニュエル・シャルパンティエである。ダウドナは後にカリブー・バイオサイエンス社を設立し、同社はデュポン社と組んで作物開発を進めてきた。一方、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の研究者が2004年に設立したのがブロード研究所で、研究所のフェン・チャンは初めてCRISPR/Cas9が哺乳類の細胞の中で働くことを発表した。

CRISPR/Cas9の特許をめぐっては、権利がブロード研究所に認められたため、カリブー・バイオサイエンス社が提訴し争われてきた。この特許紛争が、モンサント社対デュポン社の多国籍企業間の争いに転じることになる。
〔Digital Trends 2016/9/24〕