■2016年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●米国スーパー店頭に、一般企業の「NON GMO」表示食品

 フランスの食品大手ダノンの米国法人は今年4月、2018年までに全面的な脱GMOを宣言した。砂糖やスターチなどのGMO使用をやめ、生乳の飼料も酪農家に呼びかけGMトウモロコシの使用を禁止する。半年がたち、有機メーカー以外では初となる「NON GMO」表示のヨーグルトが出回るようになった。全米農業連盟など生産6団体は「(GMへの)不安をあおって売り上げを増やそうとしている」と一斉に反発し、ダノン米国法人トップ宛に異例の書簡を送った。〔時事通信ほか 2016/10/22〕


●米農務省がGMリンゴ「北極フジ」を承認

 米国農務省は、GMリンゴ「北極ゴールデン」「北極グラニィ」に続き、カナダのオカナガン社が申請していた「北極フジ」を承認した。〔USDA 2016/9/23〕


●カナダの養殖業界はGM鮭を拒否

 カナダ養殖産業連盟代表ルース・サーモンは「消費者が望まない以上GM鮭は扱わない」と述べた。カナダの養殖業界の2014年の取扱高は7億3540万ドルで、水産業界全体の14%を占め、8000人を雇用している。〔iPolitics 2016/10/18〕


●バイエルとモンサント合併に農民が審査求める

 カナダの市民団体と農業連盟は、カナダ連邦政府競争局に対して、独禁法に抵触するバイエル社によるモンサント社買収の審査を求めた。すでに米国やEUで審査は進んでいるが、当該米国以外の初のGM栽培国での提起である。カナダでは栽培ナタネの90%以上が両社の種子で占められ、トウモロコシ、大豆、テンサイのGM種子もほとんどが両社のものである。〔CBC News 2016/9/30〕


●欧州事情
●ゲノム編集技術はGMO規制対象になるのか

 欧州委員会の「ゲノム編集技術はGMOと異なる」という見解に対し、EU間で批判が強まっている。オーストリア保健相のディートマル・ウィビラルは、「CRISPR/Cas9はGMOとして扱うべきであり、少なくとも15か国が欧州委員会の考えに反対である」と述べた。〔GM Watch 2016/9/23〕
他方、フランス政府や同国裁判所は判断を欧州司法裁判所に求めた。それを受けて欧州司法裁判所は「ゲノム編集技術が既存のGMOの範囲に入るか否か」の判断を下すことになった。〔GM Watch 2016/10/3〕