■2017年1月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース



●アジア事情
●中国黒竜江省でGM作物栽培禁止条例施行へ

 中国有数の穀物生産地帯である黒竜江省は、来年からGMトウモロコシ、米、大豆栽培を禁止し、GM作物の加工、販売、輸入も規制する。2016年10月のGM作物に関する省の調査で、91.5%の市民が反対の意思を示したことを反映し、12月16日省の人民代表大会で採択された。GM食品については、限られた場所でその旨を記載しての販売となる。この改正「黒竜江省食品安全条例」は2017年5月1日に施行される。〔Ecns.cn 2016/12/17〕

●パキスタンのBt綿導入は失敗

 パキスタンのBt綿は新たな害虫が出現し、収量も減少し、導入は完全に失敗した。2004-05年期の綿生産量は約241万トンであったが、2015-16年期は約170万トンに減少した。1ヘクタール当たりの収量も約2.26トンから2.03トンに低下している。〔Dawn 2016/11/21〕


●北米事情
●ハワイ郡のGM作物栽培禁止措置、判決は無効

 米国ハワイ州ハワイ郡のGM作物試験栽培禁止措置の無効を求め、企業が訴えていた裁判に判決が下された。連邦控訴裁判所は、自治体である郡独自のGMO規制は有効としたが、ハワイ州にはGM作物栽培を規制する法律がないため、今回の禁止措置は無効であるとした。〔Eco Watch 2016/11/19〕


●米国で除草剤耐性芝の商業栽培承認

 米国環境保護局(EPA)は、モンサント社とスコット社が共同開発した除草剤グリホサート耐性芝「ベントグラス」の環境影響評価を承認し、商業栽培を許可した。事実上、農務省は業界の圧力の前に評価作業を放棄したようである。〔Center for Biological Diversity 2016/12/7〕


●カナダ食品検査庁、GM食品表示検討せず

 12月1日、カナダ食品検査庁(CFIA)が食品表示制度改正に関する公開協議を開始した。食品表示システムの近代化を目的にしているが、GM食品表示制度は含まれておらず、表示なしの状況が続きそうである。世論調査では常に80%以上がGM食品表示を求め、最新の調査では88%の人が求めている。〔Epoch Times 2016/12/8〕


●除草剤ジカンバ耐性作物栽培が周囲の農家に被害

 米国ミズーリ州の大規模経営の桃農家が、モンサント社の除草剤ジカンバによる損害賠償を求め提訴した。ジカンバ耐性作物は認可されているが、それに使用する除草剤の認可は遅れている。そのため、近隣のGM作物栽培農家が揮発性の高い違法なジカンバを撒いた可能性が高く、それが気化して桃が枯れる事態が発生した。桃の木は実を付けるまでに5年かかるため、その影響は大きい。〔St Louis Post-Dispatch 2016/12/7〕