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今月の潮流●GM種子消毒にネオニコチノイド系殺虫剤使用
米国環境保護局(EPA)の報告により、米国で栽培するGMトウモロコシとGM大豆のほとんどが、ネオニコチノイド系農薬で種子消毒していることが明らかになった。ネオニコチノイド系殺虫剤は、土壌中の害虫対策として予防的に用いられるものだ。
この報告によると、使用されているネオニコチノイド系の農薬はクロチアニジン、チアメトキサム、イミダクロプリドの3種類。年間4200〜6100万ヘクタールのGMトウモロコシにクロチアニジンが、2400〜4200万ヘクタールのトウモロコシにチアメトキサムが種子消毒に用いられている。つまり、米国のトウモロコシ種子のほぼすべてが、この2つの農薬で種子消毒していることになる。
526〜850万ヘクタールの大豆種子にはチアメトキサムが使われ、これは全大豆畑の16〜25%に当たる。また85万ヘクタールでクロチアニジンが使われ、これは全大豆畑の3%に当たる。さらにイミダクロプリドで消毒された種子は、2014年には約40万キログラムに達し、チアメトキサムで消毒されたものの約3倍に当たることから、大豆もまた、そのほとんどの種子消毒にネオニコチノイド系農薬を用いていることが明らかになった。
これまで、トウモロコシの全畑の97%に除草剤が使われ、殺虫剤は13%しか使われてこなかった。大豆の場合も、全畑の96%に除草剤が使われ、殺虫剤は22%だった。しかし現実は、ほぼすべての畑で殺虫剤が使われていたことになる。
ネオニコチノイド系農薬は、ミツバチの群れを崩壊させる危険な農薬として有名で、強い神経毒性を持ち、脳神経系への影響が明らかになっている。特に子どもたちの脳への影響は深刻で、自閉症や発達障害をもたらす原因の一つとみられている。〔DTN The Progressive Farmer 2017/2/16〕
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