■2017年4月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●初のゲノム編集イネの栽培試験まもなく開始


 農水省所管の農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)が、ゲノム編集技術としては初めてとなる、遺伝子組み換えイネ「シンク能改変イネ」の隔離圃場での試験栽培を申請した。カルタヘナ法に基づき、遺伝子組み換え技術を用いる作物は、圃場など環境中への拡散を防止せずに栽培する場合、あらかじめ文部科学省及び環境省に申請し、事前に承認を受ける必要がある。

「シンク能改変イネ」のシンクは貯蔵能力を意味する。このイネは、DNAを切断して特定の遺伝子の働きを止めるクリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)遺伝子を組み込み、すべての組織で発現させる。植物ホルモンの分解酵素遺伝子の働きを止めることにより、植物ホルモンが増加して花芽が増え、その結果籾数が増加するという。

遺伝子導入にはアグロバクテリウム法を、マーカー遺伝子には抗生物質ハイグロマイシン耐性遺伝子を用いる。試験栽培は、農研機構のつくば市観音台の高機能隔離圃場で、今年4月から5年間行なう予定。