■2017年6月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

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●欧州事情
●ラウンドアップ安全評価論文にモンサント社が関与

 EUではいま、グリホサートの2018年以降の再認可に向けて議論が進められているが、同時に多国籍企業の攻勢も強まっている。その攻勢を受け、欧州食品安全局(EFSA)がグリホサートの発癌性は低いと評価を下した(本誌2016年12月号参照)。しかし、その根拠とした論文へのモンサント社の関与が明らかになった。モンサント社は、ラウンドアップが悪性リンパ腫である非ホジキン・リンパ腫の原因になったと米国各地で訴えられ、その件数は225件に達しているため、ラウンドアップを安全と評価する論文に多くかかわっている。〔EU Observer 2017/5/2〕


●ベルギー政府が市民のグリホサート使用禁止へ

 ベルギーの農業大臣ウィリー・ボルサスは、一般市民のグリホサート使用禁止の方針を明らかにした。これまで同国では、地方自治体の多くが市民の使用を禁止していたが、連邦政府は認めていた。その異常事態が解消されそうである。〔GM Watch 2017/5/1〕
●中南米事情
●メキシコ最高裁GMトウモロコシ栽培禁止を確定

 メキシコの下級裁判所がGMトウモロコシの栽培禁止と下した判決に対し、モンサント社が救済措置を求め最高裁に上訴していた。最高裁が審理を行わないことを決定したため、下級裁判所の判決が確定した。〔La Jornada 2017/5/12〕

●ボリビアでGMトウモロコシ違法栽培

 ボリビア南部のサンタクルーズ地方チャラグア村で、除草剤耐性トウモロコシの違法栽培が発覚した。アルゼンチンからの不法輸入が長年うわさされていたため、3月17日に調査団が現地入りして違法栽培が発覚した。市場で購入したトウモロコシからも検出された。調査団は、ボリビアには77種類のトウモロコシの在来種があり、これらが汚染される危険性があると警告した。〔SOS MAIZ BOLIVIA 2017/5/14〕

●アフリカ事情
●ガーナのGM綿試験栽培停止

 ブルキナファソがGM綿から従来品種に戻したこと(本誌2017年2月号参照)を受けてモンサント社は、アフリカでの開発の拠点の一つである南アフリカのCSIR(科学産業研究会議)への資金援助を凍結した。そのためCSIRは、ガーナで進めていたGM綿の試験栽培を停止した。この試験栽培は2012年から始まり、6年間行われる予定だった。〔MyJoyOnline 2017/5/11〕