■2017年8月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

今月の潮流●RNA干渉の殺虫性トウモロコシ、米国で栽培試験へ



 6月29日、米国環境保護局(EPA)は、モンサント社が開発した殺虫性のRNA干渉トウモロコシを2年間の限定付きで承認した。次世代トウモロコシとしてモンサント社が力を入れているものである。害虫がこのトウモロコシを食べると、体内にRNAが侵入して害虫の遺伝子の発現を妨げ、死に至らせる。このトウモロコシの場合、根を荒らすウエスタン・ルートワームを殺すように設計されている。これまでのGM作物は殺虫毒素(Bt毒素)を害虫に取り込ませて殺虫効果を発揮させていたが、今回はRNAを取り込ませて遺伝子の働きを壊して殺すところに特徴がある。

 今後、「スーパー雑草」対策として、このRNA干渉技術をスプレーで散布して植物に取り込ませ、グリホサート耐性遺伝子を壊すことも考えられている。同様にスプレー散布で直接、害虫の体内に取り込ませて害虫を殺すことも検討されている。植物の場合、シリコン界面活性剤を添加して直接気孔から取り込ませる方法がとられるようで、この方式を「RNA Bio Direct」という。〔共同通信 2017/6/30ほか〕