■2017年8月号

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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●未承認GMO混入損害賠償裁判、シンジェンタ社が敗訴


 カンザス州の農家がスイス・シンジェンタ社を相手取り損害賠償を求めていた裁判で、米国連邦地裁は6月23日、2億1770万ドルの支払いを命じた。2013年、中国への輸出品に未承認GMトウモロコシ「MIR162」が混入していたため受け取りを拒否され損害を被ったとして、同社を相手に大規模な集団訴訟が起こった。今回の判決はまだ端緒で、これから20以上の判決が待っている。シンジェンタ社はこの判決を不服として控訴した。〔Bloomberg 2017/6/23〕



●カリフォルニア州、グリホサートを発癌物質指定に

 7月7日米国カリフォルニア州環境保護局は、グリホサートを発癌物質として正式に認定し、発癌化学物質リストに登録すると発表した。モンサント社はリストに登録しないよう提訴したが、今年3月に州地裁が却下したため、控訴していた。州控訴裁判所と州最高裁が却下した後に、この指定は正式に発効する。6月22日、州控訴裁判所がまずこの訴えを却下した。〔Reuters 2017/6/27〕


●アーカンソー州、除草剤ジカンバ120日間使用禁止


 米国で除草剤ジカンバ耐性綿の栽培が始まり、使用される除草剤ジカンバの飛散により農作物への被害が広がっている。最初に被害が発覚したアーカンソー州の州政府は、除草剤ジカンバの120日間の使用禁止を決定した。ミズーリ州、テネシー州、カンザス州でも被害は拡大している。〔St Louis Post-Dispatch 2017/7/14〕

●欧州事情
●EUでサプリメントから未承認GM細菌見つかる

 ドイツとイタリアは未承認GM細菌を用いたサプリメントを確認したと発表した。サプリメントはリボフラビン(ビタミンB2)で、現在リボフラビンの生産はほとんど細菌を用いている。その細菌に未承認GM細菌が用いられていた。以前、中国から輸入されたリボフラビンから同様のGM細菌が見つかったことがあるが、今回はどこから輸入されたものかまだ不明である。〔Independent Science News 2017/6/26〕
●アジア事情
●インドの7州でGMマスタード栽培禁止に

 5月にインドでは初めての食品となるGMマスタード(DMH-11)が承認されたが、州政府は続々と栽培禁止を打ち出している。タミル・ナドゥ州、デリー州、ビハール州、ケララ州、西ベンガル州に続き、新たにカルナタカ州、ラージャスターン州が栽培禁止を決定した。
〔India.com 2017/7/14〕