■2017年11月号

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バイオジャーナル

ニュース



●遺伝子組み換え作物
●ラウンドアップは土壌細菌に影響をもたらす

除草剤耐性GM作物に使用される除草剤ラウンドアップは、通常影響がないとされていた濃度でも土壌細菌に影響があることが判明した。パリ大学のクリスチャン・ベローらの研究チームによる実験では、1リットル当たり450グラムという、通常よりはるかに薄い濃度のラウンドアップを用いて、土壌糸状菌(Aspergillus nidulans)のあらゆるタンパク質への影響を評価した。
その結果、目に見える変化はなかったが、82個のタンパク質の代謝に障害が起きていた。研究者は、「毒性がないとされる曝露量でも代謝異常が起きており、GM食品の安全性評価で用いられている実質的同等性は成り立たない」と述べている。〔Springer Link 2017/9/23〕


●GMO汚染
●メキシコのトウモロコシ加工食品でGMO高検出

 メキシコで販売されているトウモロコシの加工食品に、高い割合でGMトウモロコシが検出された。国立メキシコ自治大学がトウモロコシ粉、シリアル、スナック菓子などを検査したところ、82%からGMトウモロコシが検出され、主食のトルティーヤでは90%以上から検出された。さらに、GMトウモロコシが含まれていた食品の27.7%から、除草剤ラウンドアップの主成分であるグリホサートが検出された。メキシコではGMトウモロコシを栽培していないため、検出率の高さに研究チームも驚いている。〔Mexico News Daily 2017/9/20〕



●GMOフリー
●アイルランドのバターメーカーがGMOフリーに

 アイルランドの大手バターメーカー「ケリーゴールド・バター」は飼料をGMOフリーに変更する。これは主な販売先であるドイツ市場を失わないためで、決断に至った。〔Farm Ireland 2017/10/2〕


●GM昆虫
●群馬で初めてGM蚕を飼育

群馬県は9月25日、世界で初めてクラゲの遺伝子を導入した発光絹糸を生産するGM蚕の飼育を一般の農家で始めると発表した。生物多様性影響評価を行い、9月22日に農水大臣と環境大臣から一般使用での飼育の認可を得た。群馬県蚕糸技術センターで12万匹を孵化・育成した後、前橋市内の農家の養蚕施設に移される予定。


●米国でGM蛾の放出実験開始

 米国ニューヨーク州ジュネーブでのGM蛾の放出実験(2017年8月号参照)が、いよいよ始まる。実験を行うのは米Intrexon社傘下のオキシテックで、コナガの雄を用いる。このGM蛾には子孫を殺す時限爆弾が仕掛けられているという。蛾が抑制できるかどうか、コーネル大学の研究者が観察することになっている。〔ISAAA 2017/9〕


●ブラジルで新たなGM蚊を放出

Intrexon社が開発したGM蚊の放出実験が行われてきたブラジルで、子孫ができないようボルバキア菌の遺伝子を導入した新たなGM蚊を放出した。開発したのは同国政府のオズワルド・クルス財団研究所で、2018年末までに約200万匹放出する予定。〔ISAAA 2017/9〕