■2017年12月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●EUがグリホサート再承認を否決


 11月9日、欧州委員会で投票が行われ、グリホサートの再承認が再び否決された。EUでは農薬の承認には期限が設けられている。昨年末にグリホサートの期限を迎え、再承認は政治的な課題となっていた。これまで欧州委員会は、2016年5月8日、19日、6月6日、24日と4度にわたり、期間を短くするなど手を変え品を変えて再承認を求めたが、すべて失敗した。そのため非常措置として1年間承認期間を延長し、再承認を図った。年末の期限を目前にした10月25日、期間を短縮して再び承認を求めたが、これも否決された。

その前日には、欧州議会がグリホサートの5年間禁止を決議していた。すでに欧州議会環境委員会が3年間の禁止を決議しており、それを延長したものである。ただし欧州議会の決議には拘束力はない。欧州議会は9月の時点で、モンサント社によるロビー活動を禁止していた。

10月23日には、市民団体が取り組んだ130万の署名が欧州委員会に提出された。この署名数は、欧州委員会から正式回答を得る必要数に達している。
そして今回の投票により、再び否決されたのである。加盟28カ国中、英国・スぺインなど14カ国が支持、フランスなど9カ国が反対、ドイツなど5カ国が棄権した。EUの決議は、15カ国以上かつ65%以上の人口が必要だが、いずれもその数に達せず否決された。これによりグリホサートの再承認は難しくなった。〔Greenpeace EU 2017/11/9ほか〕

再延長に賛成 チェコ、デンマーク、エストニア、アイルランド、スペイン、ラトビア、リトアニア、フィンランド、ハンガリー、オランダ、スロベニア、スロバキア、スウェーデン、英国(総人口の36.95%)
再延長に反対 オーストリア、ベルギー、ギリシャ、クロアチア、キプロス、フランス、イタリア、ルクセンブルク、マルタ(総人口の32.26%)
棄権 ブルガリア、ドイツ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア(総人口の30.79%)