■2018年2月号

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バイオジャーナル

ニュース



●GM汚染
●GMペチュニアの違法流通は23社60品種

 農水省と環境省は2017年12月15日、GMペチュニアの違法流通について最終報告書を発表した。これにより2016年7月以降、国内で販売されたペチュニア1359品種すべての調査が終わり、フィンランドで見つかり、世界中に出回っていた違法GMペチュニアの日本における流通実態が明らかになった。今回新たに4社10品種が見つかり、GMペチュニアは総計23社60品種に及んでいた。



●遺伝子組み換え作物
●農研機構の今年予定のGM稲試験栽培は5種類

 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、2017年12月26日、2018年度のGM作物の野外試験栽培について発表した。それによると、つくば市にある同研究機構の隔離圃場、高機能隔離圃場で5種類のGM稲の試験栽培を予定している。隔離圃場では、スギ花粉ポリペプチド含有稲、ノボキニン蓄積稲、複合病害耐性稲を、高機能隔離圃場では、スギ花粉ペプチド含有稲、シンク能改変稲を栽培する。
シンク能改変稲はゲノム編集技術で開発された。あまりなじみのないノボキニン蓄積稲は、血圧を下げるのに効果があるといわれているノボキニン・ペプチドを、お米の可食部である胚乳に蓄積させるように遺伝子を組み換えたという。ペプチドはタンパク質を小さくしたもので、ノボキニン・ペプチドは卵白アルブミン由来である。



●省庁動向
●GM麻疹ウイルスを承認へ

 農水省は1月11日、犬の乳癌治療に用いるGM麻疹ウイルスについて、生物多様性への影響はないとして、承認に向けて一般からの意見募集を始めた。申請したのは東京農工大学で、この麻疹ウイルスは犬の治療に用いるため、野外での使用にあたる第一種使用で認可される。


●食品安全委員会がGM食品の安全審査を緩和

 食品安全委員会は、12月22日に行われた遺伝子組換え食品等専門調査会の会議で「宿主の代謝系の改変が行われた遺伝子組換え植物の掛け合わせ品種の安全性評価について」を提案し、了承された。安全審査初期の段階では、GM植物同士を掛け合わせた品種は新たなGM植物とみなし、すべて安全審査対象だったが、その後、一部の品種については、それぞれの安全性が確認されていれば掛け合わせたものも安全と評価する、として安全審査が不要になった。今回の提案は、その範囲を拡大したものである。



●iPS細胞
●iPS細胞で有害事象発生

 世界で初めて行われたiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた臓器移植で、有害事象が発生していたことが、1月16日執刀医によって明らかにされた。理化学研究所と神戸市立医療センターが行った、滲出型加齢黄斑変性の5人の患者への移植手術後の観察で見つかった。用いられたiPS細胞は拒絶反応が起きにくい人から作成された。その作成された網膜を移植したところ、そのうちの一人に網膜内に浮腫ができたため、網膜前膜の除去手術が行われた。〔時事通信 2018/1/16〕