■2018年4月号

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バイオジャーナル

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●遺伝子組み換え作物
●グリホサートが妊娠期間の短縮をもたらす

除草剤耐性遺伝子組み換え作物に使用される、除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートが、妊娠期間を短縮させるという研究が正式な論文として発表された。これについてはすでに、本誌2017年5月号で報告したが、調査したのは、フランシスカン・セント・フランシス保健システムの新生児集中治療室や、インディアナ州インディアナポリスのライリー子ども病院に勤務する臨床小児科医ポール・ウィンチェスター率いる研究チーム。

調査の対象はインディアナ州中部に住む妊婦71人で、尿及び水道水のサンプルを定期的に採取し、2年間にわたって追跡した。妊婦の平均年齢は29歳で、66人(93%)の尿から、検出限界(0.1ng/ml)を超えるグリホサートを検出した。平均は3.4ng/ml(0.5〜7.2ng/ml)だった。

尿中のグリホサート濃度が高かった妊婦の場合、妊娠期間が短くなり、子どもの体重が少ない傾向があった。ウィンチェスター医師によると、その子は将来的に糖尿病、高血圧、心臓病、認知能力の低下、メタボリック・シンドロームになるリスクが高まると指摘している。〔Environmental Health 2017/3/9〕



●北米事情
●カナダでGMリンゴのフジの商業栽培承認

カナダ・オカナガン社が開発したGMリンゴの栽培はすでに認可され、販売されてきたが、1月30日、今度はフジの栽培をカナダ食品検査局(CFIA)とカナダ保健省(HC)が承認した。今春より日本でもおなじみの品種の栽培が可能になった。〔Health Canada 2018/1/30〕
●南米事情
●ブラジルでGMサトウキビ栽培始まる

ブラジルでGMサトウキビの栽培が始まった。今期は400haからスタートする。進めているのは開発者のカナビエイラ技術センター(CTC)で、栽培品種はBtサトウキビである。モンサント社の前役員で同社の経営最高責任者グスタボ・レイテは、今後3年間で150万haまで栽培面積を拡大する予定だという。〔Reuters 2018/3/2〕



●豪州事情
●GM稲ゴールデンライスの安全性評価は不十分

オーストラリアとニュージーランドで、GM稲「ゴールデンライス」が食品としての商業販売が認められたことに対して、ドイツのNGOのテスト・バイオテクが「食品としての安全性が十分に立証されていない」と批判した。2016年11月16日の開発者国際稲研究所(IRRI)からオーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)への承認申請の際に、肝心の米を用いた毒性評価が行われていない、と同団体は批判した。〔Scidev.net 2018/2/22〕