■2018年4月号

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バイオジャーナル

ニュース



●GM汚染
●ケニアのバイオトップ研究所で深刻なGM汚染

 ケニアのGM生物を扱う3つのトップ研究所が、深刻な病原微生物に汚染されていることが判明した。同国のケニヤッタ大学の研究者は3月7日、研究者の健康を害する可能性があると警告し、同時に、環境中にGM生物が逃げ出し汚染する危険性がある、と指摘した。この研究を行なっていたのはケニヤッタ大学の生化学・生命工学の研究チームで、汚染が起きていたのは同大学に加えて、国際畜産研究所(ILRI)、ケニア農業畜産研究機関(KALRO)の、いずれもバイオセーフティ・レベル2の研究室である。研究室の汚染は、安全規則が守られていないことを意味する、と研究者は指摘している。〔Standard Digital 2018/3/17〕



●GMOフリー
●名古屋でGMOフリーゾーン全国交流集会開催

 3月3日、愛知県名古屋市で第13回GMOフリーゾーン全国交流集会が開催された。GM作物・食品に反対する人々が集う日本で唯一の全国集会であるが、今回は韓国・台湾からの参加があり、アジア規模での集会になった。愛知県は有機農業運動やその販売を行う朝市の先進地域であり、地域に根差した作物の開発や遺伝子組み換えナタネ自生調査にも積極的に取り組んでいる。集会では活動報告とともに、ゲノム編集に代表されるゲノム操作作物や動物食品の拒否が確認された。
翌4日には、日本・韓国・台湾の3か国の市民団体が共同で取り組みを行なうことが了承され、Non-GMO Asia Forumを設立した。5月19日に各国で行なわれる反モンサント・デーで共通の宣言文を発表する。



●カルタヘナ議定書
●「名古屋・クアラルンプール補足議定書」発効


 3月5日「名古屋・クアラルンプール補足議定書」(以下、補足議定書)が発効した。2010年に名古屋開催の生物多様性条約・カルタヘナ議定書第5回締約国会議(COP10-MOP5)で合意してから、実に8年近くが経過した。補足議定書は、遺伝子組み換えなど改変された生物が生物多様性に被害を与えた際の責任と救済、修復を開発企業等に求めたものである。

日本政府は、補足議定書を批准するため、2017年4月にカルタヘナ議定書の国内法の改正案を可決した。改正のポイントは主に2点で、「環境大臣は遺伝子組み換え生物などにより生物多様性を損なう影響が生じた場合、それをもたらした者等に損害の回復を図るために必要な措置を命じることができる」、そして「この措置命令に違反した場合への罰則を設ける(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)」である。

カルタヘナ国内法改正に加えて、省令などの整備を進め、2017年12月5日に補足議定書の締結を閣議決定した。補足議定書は40か国以上の締結から90日後に発効する。日本の締結が40か国目にあたり、3月5日の発効となった。この日、同時に国内法や省令などが施行された。