■2019年1月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る

























バイオジャーナル

今月の潮流●生物多様性条約COP14、遺伝子ドライブ技術に歯止め



 エジプトのシャルム・エル・シェイクで11月17日から29日まで、生物多様性条約第14回締約国会議(COP14)及び、カルタヘナ議定書第9回締約国会議(MOP9)、名古屋議定書第3回締約国会議(MOP3)が開催された。今回はアフリカ開催ということもあり、ブルキナファソで予定されているGM蚊放出実験への抗議活動が活発だった。というのも、この実験の後には、遺伝子ドライブ技術を用いた蚊の放出実験が予定されているからである。

このGM蚊の放出実験には、英国王立大学ロンドン校やオックスフォード大学など多くの研究者が参加し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やフェイスブック、間接的には米国防総省から資金を得て進められている。

市民の働きかけの成果もあり、COP14では遺伝子ドライブ技術の使用に関して一定の歯止めをかけることになった。技術を用いる際には予防原則に基づくことが求められたのである。とくに環境中での使用にあたっては、事前に環境アセスメントを行い、事前の環境アセスメントがない場合は使用してはいけないことになった。
この結論について、第三世界の市民団体ETCグループや農民団体のビア・カンペシーナは歓迎する声明を発表した。ETCグループはさらに、先住民や地域社会の同意を前提に行うべきだと各国政府に呼びかけ、ビア・カンペシーナはすべての国の農民がこの技術に反対するよう呼びかけた。〔ETC Groupe 2018/11/29ほか〕