■2019年7月号

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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●グリホサート訴訟、地裁はバイエル社に和解を求める

 カリフォルニア州連邦地裁は、除草剤ラウンドアップの主成分グリホサート訴訟で敗訴が続くバイエル社に対して、被害者との和解協議を進めるよう求めた。そして、その仲裁役弁護士に、著名なケネス・ファインバーグを指名した。同氏は、9.11事件で被害者の弁護を担当し、ベトナム戦争の枯葉剤で被害を受けた退役軍人が起こした集団訴訟で仲裁役を務めたこともある。〔NPR 2019/5/22〕



●カナダで新しい殺虫毒素耐性害虫が見つかる

 世界的に殺虫性作物で死なない耐性害虫が広がっているが、カナダで新たな種類が見つかった。それはEuropean corn borer(ECB)という害虫で、殺虫毒素の「Cry1F」に耐性を持つ。カナダではトウモロコシの80%以上がGMOであるが、連邦政府はどの種類のトウモロコシが栽培されているか追跡しておらず、またそれらが農薬の使用にどのような影響を及ぼしているかも追跡されていない。〔The Canadian Biotechnology Action Network 2019/6/11〕


●GM小麦の自生ワシントン州でも

 米国ワシントン州で、GM小麦の自生が農務省により発見された。種類はこれまでと同じモンサント社の除草剤耐性小麦である。最近だけでも2013年にオレゴン州で、14年にモンタナ州で、16年にワシントン州で、そして18年にはカナダ・アルバータ州で見つかっており、汚染の範囲は想像以上に広がっており、収束する可能性は見えてこない。〔Reuters 2019/6/8〕


●トランプ政権がGMO規制を事実上撤廃へ

 米国トランプ政権が、ただでさえ緩い米国でのGMO規制を、さらに緩和すると発表した。1987年に施行した農務省のバイオテクノロジー規則を改定することになるが、事実上の規制撤廃である。農務省はこの規制緩和で、今後のGM作物の開発費が1種類につき73万ドルの節約になると述べている。〔Bloomberg 2019/6/5〕

●欧州事情
●ロシアでシリアルからGMパパイヤ検出

 ロシアで朝食用シリアル・オートミルから、GMパパイヤが検出された。ロシア連邦消費者権利及び福祉分野監督庁は、製造元のネスレ・ロシア社を行政違反で告発した。同社は、インスタントコーヒー、ココア、離乳食などの分野で、ロシアで大きなシェアを占めている。ネスレ・ロシア社はタス通信に対して、ロシアにおいてはGMOを一切使用していないと主張し、今後倉庫ではパパイヤと燕麦などの原料は一緒に保管しないと述べた。〔RT 2019/5/20〕


●オーストリアがグリホサート禁止へ

 オーストリアでは間もなく、国会でグリホサート禁止を決議する。禁止になれば、ドイツやフランスなど、グリホサート禁止を打ち出しながらも農民の反対で後退を始めている国々に対して強い圧力になるだろう。〔Politico 2019/6/12〕