■2019年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●オセアニア事情
●オーストラリアで2人目のグリホサート訴訟

 オーストラリアのニューサウスウェールズ州の67歳になる農民ロス・ワイルドは、グリホサートにより非ホジキンリンパ腫に罹患したとして、バイエル社傘下のモンサント社を相手取り提訴した。オーストラリアでは、メルボルンの庭師マイケル・オグリアロロに次ぐ2人目の提訴である。ロス・ワイルドは同国にグリホサートが導入された1976年以来、この農薬を使い続けていたという。〔ABC 2019/10/10〕
●アフリカ事情
●南アフリカはモンサントのトウモロコシを認可せず

 南アフリカ農務大臣は、モンサント社のGMトウモロコシの認可申請を却下した。このトウモロコシは、殺虫性、除草剤耐性、干ばつ耐性を組み合わせたもの。却下の理由は、モンサント社の主張と異なり、このトウモロコシの収量は芳しくなく、干ばつに対しても効果が乏しいことをあげている。この結果について市民団体のアフリカ生物多様性センター代表のマリアム・マイエットは、「モンサント社の科学が何ものであるかを示している」と述べた。〔African Center for Biodiversity 2019/10/4〕
●GM昆虫
●ブルキナファソでGM蚊を放出

 ブルキナファソのバナ村で、環境保護団体など多くの市民団体の反対にもかかわらず、GM蚊の放出実験が行われた。マラリア蚊を減らすのが目的で、この蚊には発光遺伝子が組み込まれ、回収しやすいようになっているという。このGM蚊はビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援のもとオキシテック社が開発し、ターゲット・マラリア・コンソーシアムが放出実験を担当した。今後、ゲノム編集技術を応用した遺伝子ドライブ技術蚊の放出実験も予定されている。〔The Telegraph 2019/10/8〕

●GM蚊放出実施に向けて、米国でロビー活動

 米国フロリダ州とテキサス州でGM蚊の放出実験が計画されていたが、市民の反対が強い上に、ブラジルで大量放出したGM蚊が制御不能に陥ったことから、実施が極めて困難となった。そのためオキシテック社の関係者は環境保護庁(EPA)の高官に会うなど、実施に向けて働きかけていることが情報公開法で取り寄せた文書で明らかになった。〔Greenwire 2019/9/16〕