■2019年12月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●進捗しないEUのゲノム編集食品規制

 昨年、欧州司法裁判所がゲノム編集食品に関してGM食品と同等の規制を求める判決を出したが、それ以降、規制に向けた動きはほとんど見られない。本来ならば、環境や食品の安全性のリスク評価を行なったうえで承認し、表示を行い、かつトレーサビリティを義務づける仕組みが示されるはずである。進まない最大の原因は、EU議長国のフィンランド政府とEUの行政機関である欧州委員会が、規制に対して後ろ向きだからである。

一方、ゲノム編集食品かどうかを見分ける検出法の確立に向けて専門家が動き始めた。EUでゲノム編集食品が流通する際にはトレーサビリティの確立が求められる。その前提として検出法の確立も必要となる。これまでGM食品の検出を担ってきたのは欧州GMO研究所ネットワーク(ENGL)で、同ネットワークがゲノム編集に対応できるよう動き始めた。ENGLはワーキンググループを設置し、最初の会合を来年開催する。

EUの動きが鈍いため、オーストリアの連邦労働評議会が、ゲノム編集食品のリスク評価と表示を求めた欧州司法裁判所の判決を支持する報告書を発表し、消費者の選択の自由と予防原則は守られなければならない、と述べた。同評議会は、370万人の労働者と消費者を代表する団体である。〔GM Watch 2019/11/7ほか〕