■2020年3月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●グリホサート訴訟に続き、ジカンバ訴訟でも農家が勝訴

除草剤ジカンバにも、グリホサート訴訟の波がやってきた。ジカンバは50年にわたり使用されている除草剤である。2015年にジカンバ耐性GM作物が登場、それに合わせて各社は、ジカンバ・グリホサート耐性作物栽培用除草剤を開発した。作付け拡大とともに、モンサント社(現、バイエル社)の「XtendiMax」、BASF社の「Engenia」の使用量は激的に増加し、その結果、周辺農家に多くの被害をもたらしてきた。特に問題なのが、この除草剤は揮発性が強く、広く拡散することである。

被害を受けた多くの農家が、損害賠償を求めて訴訟に踏み切った。1月27日、ミズーリ州ケーポジラード地方裁判所で始まった裁判の原告は、同州ブートヒールで40年続く桃農家ビル・バダーで、訴えによると桃の木3万本以上を失い、2000万ドル以上の賠償を求めている。

これに対してバイエル社とBASF社は、被害の原因は他にあり、自分たちには責任がないと主張してきた。裁判ではモンサント社とBASF社の内部文書が公開され、両社が被害を予測していたことが明らかになった。2月15日の判決では、バイエルとBASFに対して2億6500万ドルの支払いを命じる判決が下された。損害賠償金は1500万ドルで、懲罰的賠償金が2億5000万ドルである。〔Sierra Club 2020/2/3ほか〕