■2020年7号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●アフリカ事情
●ブルキナファソでGM真菌を用いた蚊の駆除実験

 ブルキナファソのSoumousso村で、マラリアなどを媒介する蚊を駆除するために、GM真菌を用いた3年計画の実験が2019年から始まっている。実験はGM蚊や遺伝子ドライブ蚊実験と同じ国際プロジェクトである。GM真菌は、毒グモのオーストラリア・ブルーマウンティン・ジョウゴグモが保有する致死性の毒素を作る遺伝子を真菌(M.pingshaense fungus)に導入した。この実験にあたっては、GM真菌を用いるための公開の議論もなく、リスク評価もされておらず、いきなり野外での実験が進められている。〔African Centre for Biodiversity 2020/5/28〕

●アジア事情
●コロナ禍のフィリピンにGMOを提供する多国籍企業

 コロナ禍により農業に大きな影響を受けているフィリピンに、バイエル社とコルテバ社は支援として米とトウモロコシの種子を農薬とともに提供した。トウモロコシは大半が除草剤グリホサート耐性種子である。PAN Asia Pacific(PANAP:農薬行動ネットワーク・アジア太平洋)のサロジーニ・レンガムは、この支援に、「多国籍企業はフィリピンの農業をGM作物と農薬に依存させようとしている。しかもこの後にゴールデンライスの導入をもくろんでいるのではないか、という疑念も強まっている」と指摘した。〔PAN Asia Pacific 2020/5/22〕

●オセアニア事情
●南オーストラリア州がGMO承認に転ずる

 南オーストラリア州政府がGMOモラトリアム政策から推進に転じた。同州の食品産業は自然で安全な食品を売り物にしていただけに、この変更は大きな影響を及ぼすであろう。州政府では独自の規制をしないため、連邦政府承認のすべてのGM作物の栽培が認められる。また、農家はどこで栽培をしているかわからない状況に追い込まれる、と同州の緑の党は批判している。〔InDaily 2020/5/21〕