■2020年11月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●米国環境保護庁がBt作物の段階的廃止を提起

 米国環境保護庁(EPA)がBt綿とBtトウモロコシを2〜3年かけて段階的に廃止する旨を提案し、そのGM品種リストを発表した。深刻化する耐性害虫の広がりが、その理由である。EPAは11月9日までのパブリックコメントを経て正式に決定する。〔DTN Progressive Farmer 2020/9/29〕

●消費者団体が米国GM食品表示法に異議申し立て

 米国連邦政府のGM食品表示法がGM種子表示を妨げているとして、消費者団体食品安全センターが提訴した。2020年1月1日(完全な義務化は2022年1月1日)に施行したGM食品表示法は、州政府がGM食品表示を行う権限を奪い、それが種子表示にも及び、消費者や農民の知る権利を奪っているというもの。〔Center for Food Safety 2020/10/5〕

●南米事情
●アルゼンチンがGM小麦を承認、栽培開始

 アルゼンチン農業省は10月8日、GM小麦栽培を承認した。承認された干ばつ耐性GM小麦は、バイテク企業バイオセレス(Bioceres)社とブエノスアイレス大学、国立科学技術研究委員会(CONICET)が共同で開発した。CONICETによると、世界で初めて承認されたGM小麦だという。バイオセレスのCEOは、栽培できるかどうかは、最大の輸出先ブラジルがこの小麦を承認するか否かにあると述べた。しかし、国立種子研究所の専門家は「国内外の消費者の理解を得ることや、非GM小麦への交雑・混入を防ぐことは難しい」と懸念を表明している。〔Yahoo! Finance 2020/10/8〕
一方、ブラジル小麦協会は10月14日、アルゼンチンのGM小麦承認に対して、反対を表明し、栽培が行われた場合、アルゼンチンからの小麦輸入は停止する、と述べた。アルゼンチン農業省によると、2019年、アルゼンチンの総輸出量1110万トンのうち、ブラジルへは510万トン輸出している。すでにアルゼンチンでは、バイオセレスのメンバーの農家がGM小麦を約6200ヘクタール栽培している。〔S&P Global Platts 2020/10/14〕