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今月の潮流●京大ベンチャー企業によるゲノム編集魚の商業化の動き
京都にあるベンチャー企業リージョナルフィッシュ社が、ゲノム編集魚の商業化に向けて動きだした。このベンチャーを立ち上げたのは、京都大学助教授の木下政人と近畿大学教授の家戸敬太郎の2人で、いずれもゲノム編集技術を用いた魚を開発してきた。ミオスタチンと呼ばれる魚の成長を抑制する遺伝子の働きを、ゲノム編集で壊した成長の早い真鯛である。米国では肉厚の豚などが開発され、日本では魚の開発が進められてきた。木下は同じ技術で肉厚のトラフグも開発している。一方、家戸は養殖しにくいサツキマスなどの養殖技術を開発してきた。
この2人が中心となって、2019年4月10日にリージョナルフィッシュ社を京都大学内に立ち上げた。木下が取締役・最高技術責任者に、家戸が科学技術顧問となり、昨年には第三者割当増資分、総額4億3200万円の資金調達を完了している。ゲノム編集技術を用い、真鯛以外にも、さまざまな魚の市場化を狙って活動している。資金を出したのは、宇部興産や三菱UFJキャピタル、ベンチャー向け投資ファンド等である。ほぼ同時にスタートした筑波大学発のベンチャー企業のサナテックシード社のゲノム編集トマトに続き、今度はゲノム編集魚の市場化に向けた動きが始まる。
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