■2021年2月号

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バイオジャーナル

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●遺伝子組み換え作物
●Bt毒素の毒性は20倍も強かった

 遺伝子組み換え作物に用いられているBt毒素が、従来考えられているよりも最高で20倍も毒性が強いことが欧州食品安全庁(EFSA)により判明した。このデータは、30年以上前にモンサント社が分析したもので、長年隠されていた。また、このデータを知っていながら、EFSAは重要視していなかった。自然界にある時よりも、挿入したGM作物で毒性が強いのは、植物が作り出すプロテアーゼ抑制物質がかかわっているのではないかと見られる。この結果を受けて欧州の環境保護団体は、EFSAに承認プロセスの見直しを求めた。〔Testbiotech 2020/12/21〕

●ゲノム編集
●ゲノム編集動物には10世代先まで影響が現れる

 ゲノム編集はエピジェネティックに異常をもたらし、10世代後まで影響を残すことが確認された。The MITRE Corporationの研究者であるハース・マリスらが、『BMC Genomics』(2020年21号)で発表した。The MITRE Corporationは、マサチューセッツ州ヘッドフォードとバージニア州マクリーンにある非営利団体で、連邦政府が資金提供する研究センターの管理などを行なっている。これは、ゲノム編集技術でDNAを切断した際に起こる意図しない「DNAのメチル化」という現象が、10世代先でも確認されたというもので、胚の発達に混乱を生じさせている可能性がある。この現象についてドイツの科学者団体テストバイオテクは、エピジェネティックの異常の追跡はゲノム編集動物では大変重要である、と指摘した。〔Testbiotech 2020/12/22〕

●省庁動向
●GM胡蝶蘭承認へのパブリックコメント募集

 筑波大学が開発し、石原産業が販売予定のGM胡蝶蘭(青紫色ファレノプシス)のカルタヘナ法に基づく環境影響評価が終了したのを受けて、環境省と農水省は2020年12月24日、このGM花卉のパブリックコメントを求めた。この胡蝶蘭は、ツユクサの遺伝子を導入して花の色を赤紫から青紫に変更した。花卉であることから食品としての安全審査を必要とせず、承認されれば販売できる。