■2021年3月号

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バイオジャーナル

ニュース



●北米事情
●米FDA長官、GM動物規制局変更を拒否

 米国政府がGM動物の規制局を食品医薬品局(FDA)から農務省(USDA)への変更を提案したが、「この変更は市民の健康に対する攻撃である」として、FDA長官のスティーブ・ハーンは署名を拒否すると述べた。〔DTN Progressive Farmer 2021/1/13〕

●グリホサート
●グリホサートが腸内細菌に影響か

 グリホサートが、ラットのマイクロビオームに影響するという論文が発表された。マイクロビオーム(細菌叢)とは、細菌及びその生化学的機能を意味する。グリホサートは、すべての植物に共通のシキミ酸経路と呼ばれる生合成を阻害し植物を枯らすが、それがマイクロビオームにも影響することがわかった。腸内細菌は、免疫系の主要な担い手であるとともに、脳へも影響することで知られている。実験を行ったのはロンドン・キングスカレッジのマイケル・アントニオらフランス、イタリア、オランダの国際的な研究チームで、論文は1月27日付『環境健康パースペクティブ』誌に掲載された。〔Environmental Health Perspective 2021/1/27〕

●省庁動向
●厚労省の審議会がゲノム編集魚の検討開始
 2021年2月10日、日本の遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の承認を事実上決めている、厚労省食品衛生審議会の専門調査会が、「ゲノム編集技術を利用して得られた魚類」の扱いについて審議を開始した。これは京都大学や近畿大学が開発した「肉厚マダイ」の審議開始のための問題の整理と考えられる。高GABAトマトに次いで、肉厚マダイもまた、市場化に向けて政府が動き始めた。